上方メニューにも記事があります。

初めての方は『はじめに』→『このサイトについて』『【必読】アトピー性皮膚炎とは』からお読み下さい。

その人に合わせた訪問パーソナルケア指導も行なっています

詳細・お申し込みはこちら

手湿疹がなかなか治らない人にやってほしいこと

重要なこと


アトピー持ちに限らず手の湿疹に薬が効かなくて、長期に悩んでいる人は多いですよね。


手は常に動かしていたり、意識しているしていない関わらず何かを常に触っている部位なので、物理的刺激が加わりやすいため治るのに苦労する部位の一つです。

手の症状が酷くなると、悪化すると物がつかめないなど日常生活に不自由が生じやすく、手は他人から見られるので審美的にも心理的負担が強い部位でもあります。

そんなだから悪化原因が特定しにくく、病院に行っても何も深く聞かれず薬を出されて、保湿と手袋するようにとだけ言われて軟膏処方で終わる人もいると思います。

手の湿疹は『主婦湿疹』という言葉があるように、主婦に多いと思われがちですが男性でも職業によっては出やすいです。職業なり環境下で繰り返し何か皮膚に悪いことをしているということです。

要は普段手で何気なく触っているものが感作を起こし治り辛くしているので、それらに意識を向けて対処していかないと薬が効かない、使っても一時的ですぐ戻るということが起こります。

と言っても、アトピーの人の皮膚は普通の人よりバリア機能が脆弱かつ皮脂のバリアも少ないため、普通の人では何ともない想像以上の些細なきかっけがトリガーとなるので、普通の感覚のままだと悪化原因に気付きにくいのです。



個別の生活や仕事に潜むトリガーまでは詳しく問診しないと分かりませんが、自分の生活の中で同じ様なことが隠れていないか、一度考えて対処できるものがあれば取り入れて欲しいので最後まで記事を読んでください。


先ずは何で悪化しやすいのかを知る

一番の原因は乾燥や摩擦、繰り返しの刺激によるバリア破綻により感作しやすくなっている状態という前提があって、そこに何かしらの悪化原因と接触しているというのが根本的な原因です。

もちろん掌蹠膿疱症や乾癬、他の疾患の場合もあります。その見分けは医師による診断が必要なので、何をやってもダメという時は他の疾患の可能性を探るためにも病院を受診して下さい。

では何に感作しているかというと、アトピー性皮膚炎の悪化原因は主に細菌とアレルギー(アレルゲン)とこのサイトでは最初から言っています。アトピーを持っていない人でも悪化の環境が整えば湿疹は起きます。

そしてバリア機能が壊れると洗剤など皮膚に付く触るものによる接触性皮膚炎も絡んできます。

そこに更に動かすことで刺激が加わり・・・という負のループ。

細菌とアレルゲンも接触といえば接触なのですが、洗剤等による接触性皮膚炎もアレルギー反応といえばアレルギーなので、明確にここが接触性でここがアトピーと時系列的にも分けたりするのは難しいので曖昧な答えになることもありますが、対処的にはほぼ同じようなことをしますし、とにかくベースにはバリア破綻があるということを頭に入れましょう。

生活の中にある悪化原因とその対処

これを念頭に入れて、自分の生活の中に何の悪化原因が潜んでいるのかをもう少し深く考えていきます。

手の湿疹に限らず、手は身体のあっちこっちに悪化原因を広げてしまう、媒介してしまう働きをしてしまう部位ということも念頭に置くと、どうして湿疹が他部位に広がっていくのだろう?ということも分かってきます。

細菌やアレルゲンの付いた部位を掻く
→その手で他部位を掻いたり無意識に触る
→乾燥したり皮膚に見えない損傷があるような皮膚環境に付く
→弱くなっているところが感作を起こす、感染する

なので行動の見直しも関わってくることもあります。よく繰り返している行動や癖を無意識ににやっていないか第三者に聞いてみるというのも治らない時には大事です。

とはいえ、無限に色々なものを触っているし、仕事や家事上でのことならしないわけにもいかないので考えると途方に暮れてしまいますよね。

ですから押さえないといけないポイントを書いていきます。

細菌の場合

細菌はいたる所にいるので完全に無くすということは無理です。ですが数を減らす増やさないようにする近づけないようにするということはできますし、それが重要です。

では生活の中で何処にいるかというと、

手を拭くタオル。家族が多い場合(共有者が多い場合)は特に注意

使う回数、人数が多ければ濡れている時間が長くなりますので、細菌が増えます。一人でも一度使えば細菌はつきます。なるべくならペーパーで手を拭くことをお勧めします。

トイレ、洗面所、キッチン、水のあるところには手拭きを置くと思うので、全部ペーパーにするとゴミ、ゴミ箱、買い物なども増えますし、コスト面のデメリットはあります。

ですが皮膚には良いことと、風邪などの感染症が流行する時期はウイルスの感染拡大予防にもなりますから、健康のためには使い捨てが良いということは押さえておいてください。

ペーパーはどうしても・・・という人は、キッチンなど限られた人しか使わないという場所であればタオルでもいいですが、毎日絶対一回は変える。人数が多ければ一日に何回か変える工夫は必要かと思います。

前提として、安全な洗濯と乾燥がなされたタオルでないと意味がないということも押さえていてください。

人が触るドアノブなどは消毒をする

もし細菌による湿疹ならば、手を使うことで細菌を拭いつけるので、それを他の人が使うと他の人の手に付く、媒介して他所へ広がるのでタオルを変えるだけではなく、菌を減らすために定期的に殺菌作用のあるもので拭くことを勧めします。

ペーパーで拭くようになっても、これはやってくれた方がより安全です。

外出時などは消毒ができないので、なるべく素手で触らないように心がけ袖を使ったりして触りましょう。

ドアノブに準ずるようなみんなが同じ場所を触るものがないか考え、あればそれも消毒をするようにしてください。

テーブルを拭くクロス、お皿を拭く布巾は素手で触らない

タオルに準ずるのですが、乾いていたとしても細菌が元々多いものなので一気に痒くなることがあります。一瞬だとしても皮膚が弱っている時には素手で触らないのが賢明です。

細菌が関係すると手を洗った方が落とせるし良いのですが、乾燥や湿疹があると濡らすこと自体が負担で刺激なのに、そこに絞る、何かを拭くという作業による摩擦が生じます。素手でしないことで細菌と摩擦は防げるので、その場面に合った手袋などのアイテムでそれらから遠ざけるということをしてください。

手を拭く時は指の股までしっかり拭く

これは人にもよるのですが、中途半端に水分の拭き残しがあると痒みにつながることがあります。

少し濡れた状態で保湿剤を塗る方がより保湿力が上がり良いという人もいるのですが、水滴が残らないようによく拭いてすぐに保湿剤塗った方が痒みが出にくいです。

私を含め色々いう人はいますが、自分はどっちの方が皮膚が楽なのかを自分で試してみてください。

でも手も足も指の股の拭き残しには真菌が発生しやすいので気をつけて!

買い物中の細菌

私は買い物時、特に八百屋に行くと手が痒くなることが多いのです。

買い物カゴやカート、野菜に付いている菌、お金、エコバックの洗濯状況、陳列までの物流過程での人が触るもの等色々菌の宝庫です。

帰ったらすぐ手を洗う。変な人に見られるかもしれないですが手袋をして買い物することが対処です。

手袋は冬場はそれほど違和感なくつけていられますし、夏場も紫外線防止の手袋つけたままで買い物するという手もあります。その際は手のひら側に物がつかみやすいような工夫がなされた手袋がいいです。そういうのも一回使ったら洗ってください。

自分の身の回りに菌が付きそうな物がないかもう一度見回して

人それぞれ仕事や環境が違うので、自分が触りやすいものがどういうものなのかもう一度見て見ましょう。例えばお金を扱う仕事であったり、子どもと触れ合う仕事、飲食業、多くの人が触るものを一緒に触らないといけない仕事や環境の人はリスクが大きいです。

ちゃんとゴム手袋して作業しているという人でも、汗や水が入りこむことで手袋の中が湿っていて細菌繁殖していることがあるので、使ったら中が乾くよう工夫したり、綿の手袋を間に入れたりしてください。そしてゴム手袋の共有は絶対に避けてください。

私もアトピーが良くなって数年経って手の湿疹も出なくなったのに、耳鼻科に勤務して手が感染してしまい仕事を半年ぐらいできなくて失業保険をもらっている時がありました。手を安全に洗っていても、ペーパーを使っていても、しょっちゅう保湿してもジクジクで爪の中まで湿疹が広がったりひび割れて力が入れられないくらいの状態になりましたから、仕事を変われるようであれば自分の皮膚が守れるような仕事や環境にする必要があります。

コロナのおかげで職場では使い捨ての手袋を使っても良い職場がどの業界も増えてきましたし、消毒を小まめにした方が喜ばれるので、自分が動けそうな範囲で細菌について見直し、できることがあれば対処してください。

手に傷や湿疹があると黄色ブドウ球菌が増えやすい(アトピーを悪化させる原因菌でもあるので元々保菌している)ので、食中毒にも注意が必要です。ですから、食品衛生法を知っておくのも日々の役に立つと思います。

細菌に関しては、『共有物は注意が必要』を忘れずに!

アレルギーの場合

古いもの、しばらく掃除・洗濯していないもの、外に出っ放しのものは埃、ダニ、花粉、色々付いているのでアレルギーのリスクが大きいです。

私は食事を作る際も、野菜や果物、肉、魚などから出る汁でも感作しますし、塩を摘むだけでしみて痛みが走った後、洗うのが遅いとかぶれることがあるので食材は極力素手では触りません。

お米を研ぐ時もかぶれるので研ぐ棒を使っています。その棒すら持つのも辛い時だけ無洗米にしたりしていたこともあります。

Amazon.co.jp

一気に腫れて痒みが出るのでアレルギーに近いのかなと思っています。

こういうものは保湿していてもダメなことが多いので、手袋や器具を使って直接触らないようにするのが一番安全です。

皮膚が荒れている状態が長くなると食物や色々なものにアレルギーを発症することがあるので、手が荒れている時は物理的なもので距離を取る、直接触らないということが大事です。

接触性の場合

刺激のない洗剤で洗う

手が荒れている時に洗剤が触れるとしみて刺激になりますし、かぶれが酷くなりやすいです。その逆もありで洗剤でかぶれて湿疹が出ていることもあるので、洗剤は厳選しないといけません。アトピーの人はそんなこと幼少期から肌で感じて対処している人が多いと思いますが、アトピーでない手荒れで読んでくださっている人もいるので基本中の基本ですが記載しておきます。

シャンプーやリンスの時は摩擦刺激や入浴で皮膚がふやけているのでバリアが十分な機能を果たしていない状態ではありますし、食器用洗剤や洗濯洗剤はアルカリ性で油とタンパク質を落とすものなので湿疹ができやすい悪化しやすい状況を作りますからなるべくなら素手では触らない方が安全です。

アトピーの人は何もしてなくてもすぐ乾燥しますし、水に濡れただけで乾燥が進みます。そんな無防備な状態で洗剤を触ると普通の人よりは感作しやすいので手袋を使う方がいいです。

安全な行動と、洗剤が重要になります。

安全な洗剤とは、その人が刺激なく洗えれば好きなものを使って良いですが、セタフィルジェントルクレンザーがしみにくく皮脂も取れにくいので手だけでなく身体を洗う際にもお勧めです。私は風呂場と洗面所、外出用に小分けして常時持ち歩いています。

シャンプーリンスの時には、こういう手袋を使っています。

私はしっかり洗い過ぎると頭皮の乾燥がすごくなるのでこの様な脆弱な手袋でもなんとかなりますが、しっかり洗いたいという人にはすぐに破れて洗剤が入ってきてしまい不向きなのでもう少ししっかりしたものを使ってください。

ときどきナース
ときどきナース

コロナ禍以降、使い捨て手袋が手に入らず高騰して病院では手袋を入手するのが大変でした。国が頑張って集めてくれて医療機関に配布してくれました。皮膚の弱い私は本当に命拾いしました。本当にありがたかったです。

今も一時期よりは値段が下がりましたが、しっかりして動かしやすいものは結構高いです。値段と相談して用途に合わせて手袋を何種類か揃えておくのも手です。

患部をなるべく保護する

手袋とかだけでなく、症状がひどい患部には絆創膏やボチシート、包帯などの医療で使う様なアイテムで保護してておくと、無意識下の刺激や摩擦から患部を守ることで患部の安静がはかられ治癒が早くなります。

入浴時など濡らす行為が痛いという時には、濡らす5分前にワセリンを(軟膏)うすーーく塗ってください。薄い膜を作ることでしみにくくなりますし、ベタベタするくらいに塗ると油を落とせなくなり水に濡れることで気持ち悪い感覚と、酸化させてしまうことで皮膚には悪さをすることがありますから、軽く洗うだけで落ちるくらいの膜を自分なりに探ってください。

手袋で痒みが出てしまう人

手袋すると痒みが出てしまって嫌だという人もいます。

手袋自体の素材に反応しているのか、手袋すると蒸れたり熱がこもって痒くなるのか、手袋を繰り返し使っていて中で細菌が繁殖しているのか、と人それぞれ手袋に反応する原因が違ったりするので自分の場合はどうなのかを考察をしてほしいです。

そうすると対処法も見えてきます。

家にお手伝いさんなり家事全般やってくれる人がいれば、防御保護用の手袋なんてしなくて済むんですけどね。

乾燥させてしまう日常の行為に注意

保湿を小まめするのは当たり前なのですが、日常で皮脂が取られやすい作業にも気をつけて欲しいです。

例えば、洗濯物を畳む、シーツを交換する、紙類を触ると油分が取られます。これらの作業をする場合は綿の手袋だけでも良いので付けてから作業すると乾燥と物理的刺激がマシになります。

寝ている時でさえ身体中を掻きむしったり、シーツや服と擦れ油分も持っていかれるので、どうしたら乾燥と刺激を最小限にできるのか自分の環境下でできることを考えてください。

ときどきナース
ときどきナース

手のタレントさんの特集を昔テレビで観ていた時に、洗濯物を畳む際は綿の手袋をしているのを知って、普通の人でも綺麗を保つために乾燥と摩擦を避けるのだと知って衝撃でした。自分は手湿疹辛かったのにそこまで考えつかなかったので勉強になりました。

今はドラム式洗濯機なので、縦型洗濯機より干す取り込むという摩擦を生じる行為と時間、花粉などの洗濯物に付いたアレルゲンとの接触もがかなり減りました。食洗機なんかも同じように手には良いですよね。お金かかるけど💧

もしかしたらの番外編

これは医師に相談してほしい内容です。

事務系の仕事をしている職場の時に主婦湿疹が酷い女性がいらして、カジノ時は手袋したりステロイド使ってもずっと治らないと。その時はまだ私も細菌による悪化のことを知らない時でしたが、掌蹠膿疱症の芸能人が出た番組でビオチンについて話していた内容を観たと話しで出したところ、その女性がビオチンの内服を試してみたら1週間で消えたことがありました。

これはアトピーやアレルギーはなく、肌がそれほど弱くない人の話なので、そんなこともあったよという話。

まとめ

共通した対処をちょっと詳しくしてまとめると、

  • 小まめに保湿する→防御と保護、治癒の促進
  • 小まめに安全に洗う→悪化原因を落とす、洗剤による感作を最小限に
  • 拭く時は抑えるように→繰り返し行う行動による摩擦を最小限に
  • 洗っていない手で他部位をなるべく触らない→悪化原因を広げない
  • 手袋を適宜使う→皮脂を奪いそうなもの、刺激には物理的に防ぐ
  • 湿疹や切れたりしているようであれば保護をする→患部の安静
  • 日常で悪化させていそうなものや自分の行動を振り返り避ける

自分の湿疹がで始めたことにいた環境や人、季節などを思い出してください。

こんな動作をしたら痒みが増したということがあればメモをその都度しておくと後々何かの気づきがあるかるかもしてません。

一度皮膚が弱くなるとすぐに荒れるので、ケアをすぐ止めずしばらく継続してください。

私も皮膚が脆弱で硬かった時は、ちょっとぶつけただけで皮膚がパックリ裂けて流血していたりしていたので皮膚の柔らかさが戻る(といってもずっとアトピー酷い人は柔らかい皮膚というのが分からない問題)まで継続が大事です。

皆さんの手荒れが一日でも早く治り、再発しない状態をキープできることを祈っています!

タイトルとURLをコピーしました