ある特定の部分だけアトピーがひどくなっているというのは、最初は何かの悪化原因に接触性の炎症を起こしてしまい原因が取り除かれていないままか、取り除きはしたけど感染を起こしてしまっていて、どちらの場合も悪化原因が取り除けていないので、ステロイド軟膏が効かないという状態が考えられます。
悪化原因が取り除けていなければ、ステロイドは効きません。効いてもすぐにぶり返します。
顔はほとんど湿疹は出ていないのに、身体はひどいという人がいます。
そういう人は、まずは洗濯を見直すことをオススメします。
もちろんアトピーを持つ人全員にも、喘息持ちの人にも有効だと思います。
よく、洗剤はシンプルなもので、洗剤が残らないようにすすぎをしっかり多めにしましょうということは、ほとんどのアトピー関連サイトで見る記述ですが、それは接触性の原因一つだけしか視点に入れていません。
わかりますか?
洗剤のみにしか視点がありません。
そして、そんなことはもうとっくにやっている人がほとんどで、

すすぎ何回もやって、ちゃんとやっているのに良くならない・・・

洗剤が合っていないから!?

洗濯洗剤は色々使ってどれも合うと思えるものがない・・・
そんな風に思っている人も多いと思います。
洗濯には、洗剤以外にも悪化原因が色々からんでいるのです。
それを理解してから、アトピー患者の洗濯時の困りごとあるあるにも対応した細かいケアに入っていきます。
洗濯の時にやってはいけないこと
これを全部やっていたら最悪という例を出します。
- 下着以外、何回か着てから洗濯する(下着も何日も着ていたらアウトです)
- 湿ったままのタオルなどと一緒に洗濯槽に脱いだ服を洗濯するまで入れている(洗濯かごのかわりに使用)
- 洗う時お風呂の残り湯を使っている
- 粉の石鹸洗剤を使っている
- 粉洗剤を溶かさず、洗濯物に直接かけて洗濯機に水を入れる
- 洗濯回数を減らしたいので、洗濯物は洗濯機にめいっぱい入れる
- 水位は低め、またはそういう機種
- 家族の洗濯物も一緒に洗う
- 洗濯機の標準設定のコースしか使っていない
- 洗剤にはすすぎも少なくて良いと書いてあるから、説明通りのままのすすぎ回数
- 柔軟剤を使っている
- 部屋干し又は浴室に干した時は、乾きを早めるものは使っていない
- 基本は外に干す
- 糸くずネットのゴミは毎回は取らないので、カピカピの塊がいつもたまっている
- 洗濯機の蓋は普段閉めたまま
- 洗濯槽の洗浄を半年以上していない(新品は除く)
これ全部やっていないという人は、アトピーの症状はそれほど出ていないかもしれないです。
細菌、アレルギー、洗剤などの洗濯時に接触するものが悪化要因になりそうだということが、1〜15を見ているとなんとなく分かってくると思います。
日本ではやりがちなことで、皮膚の強い人なら問題ないことなのです。
でも、アトピーや喘息持ちの敏感な人は違います。
こういう日常の小さな習慣の積み重ねが悪化させています。
「全部はやっていない」という人でも、今何かしら症状が出ている人は洗濯が悪化要因となっている場合があるので、見直すことが必要です。
入浴方法も、保湿方法もカンペキ✨であっても、ちゃんと洗濯できていなければ衣類などが細菌とアレルギーの悪化要因を常に皮膚にさらし、こすれ、敏感なアトピーの皮膚に影響を及ぼし普段頑張っているスキンケアの効果を台無しにします。

だから、このサイトは『トータルスキンケア』というサイト名にしました。
どうして今まで薬を使っても良くならなかったのか、重症者が多いのか、何が悪かったのか、何が足りなかったのか、悪化要因をふまえ丁寧に考えましょう。
デュピクセント使っても皮膚に接している原因にトータル的にケアができていなければ、充分な効果が得られないことがあります。
普通の肌の人には『それくらい』と思うことが、アトピーの人には多大な影響を与えていることがあります。
やりがちになっている
- 皮膚に良いと思ってやっていること
- 節約や効率重視
- あたりまえになっていること
- やっていなかったこと
これらを、アトピーの悪化要因をふまえ、見直しながらケアをしていかなければいけません。
アトピーに安全な洗濯方法
洗濯機を悪化要因の温床にしない
まずは、洗濯機です。
洗剤だけでなく、カビはアトピー悪化の原因になるのですが、洗濯機はカビの宝庫です。
多くの人が使っているだろう縦型の洗濯機は、思っているよりも裏側はかなり入りくんでいてカビが発生しています。
そこに溜まった水ですすぎを何回もしても、微量なものはついたままで、乾燥に時間がかかれば洗濯物で繁殖してしまいます。とても悪循環です。
とにかくいかに洗濯機を清潔にしておくかということが重要です。
いつも掃除の仕方を参考にさせてもらっている『おそうじダイアリーさん』の洗濯機掃除もの動画を観て頂くと一目瞭然で、アトピーの人が使いがちな石けん洗剤について触れられています。石けん洗剤のカスと柔軟剤が洗濯機にとても汚れを付けるそうです。
ご自分が使っている洗濯機の機種動画があれば是非ご覧になってみてください。
ましてやアトピーの人は、保湿剤(油)とそれを含んだ落屑(皮)が衣類にかなり付着していて、洗濯することでそれらが洗濯機のいたるところにに付着し油が固まり堆積してしまいます。
冷たい水での洗濯であれば、洗剤を使っても保湿剤の油分が残っていて、ぬるっとしてスッキリした洗い上がりにならないことがあります。それは汚れが落ちずに残っているということです。
衣類と洗濯槽に汚れが残っているということは
有機物(皮、油)➕水=細菌が普通よりも更に発生しやすいと思ってください。

私が使っているドラム式洗濯機の糸くずフィルター部分をご覧ください。
洗濯が終わったらゴミを取って水洗いしていますが、こんなことになってしまいます↓
たまにフィルター出し忘れてますけど・・・


右の写真は糸くずフィルター本体。油分と落屑を含んでいる下着類を洗うとカスが付きます。
左の写真は糸くずフィルター挿入部で毎回は洗っていないので、フィルターを入れたままにしておくとすぐカビが発生します。掃除は水筒用の長いスポンジを使っています。
洗濯機を使う度に洗濯槽洗浄もコースに入れていますが、油までは落ちていないようで、たまに油分と落屑の固まった黒い物体がフィルターに入っていることがあるので、どこかに溜まっているのでしょう。
定期的に洗濯槽洗浄を行なっていても保湿剤の油でコーティングされた汚れは手強いです。
とはいえ、やらないよりは良いので、なるべく一か月に一度は冷たい水よりは水温を上げて洗濯槽の洗浄を行うことで油汚れと細菌汚れを少しでも落とします。
洗濯時にお湯を使えるようであれば、普段からお湯で洗うことで洗濯物と洗濯槽にも油汚れがつきにくくなります。
そして普段からカビが発生しないように
- 洗濯物を洗濯機に入れたままにしない
- 開けられる蓋はなるべく開けて湿気をこもらさないようにしておく
- 糸くずは洗濯終了時に毎回取ることで湿気と細菌を発生させない
- 柔軟剤と石鹸系洗剤は石鹸カスがカビの餌になるので、なるべく使わないようにするか、すすぎを多くする
- 洗濯槽洗浄を月に一回はする
- 洗剤などの投入口、又は自動投入部は洗剤の栄養分からカビが発生しやすいので、マメに掃除する
※お風呂の残り湯は温かいので洗濯の時に使いがちですが、湯垢って一回の入浴でもけっこう浴槽の縁についていませんか?
垢や皮脂が見えないだけで浮いているので、いくら洗剤を使っても汚れた水で洗えば再付着しますから、使わない方が清潔に洗濯できます。どうしても使わないといけないということであれば、漂白剤を入れて、すすぎの回数を多くしましょう。

部屋干し臭の臭いがする人に、洗濯方法を聞いてみると残り湯洗濯、
部屋ぼし率が高いです。部屋干し臭の原因は、細菌ですよね。
臭いがしている人って、慣れてしまっているせいか、あまり自覚がない人も多いです。
肌に合った洗剤を使う
これが一番難しいかもしれないです。
洗剤類の合う合わないは、本当に個人差が大きいです。
皮膚の状態が悪すぎると何を使ってもダメな時もあります。
ですが、粉よりは液体の方が溶け残りがないので、皮膚に感作しにくくなります。
それと無香料に越したことはないですが、肌に悪さをしなければ使っても構いません。

石鹸でも固形と液体の違いは、ナトリウムかカリウムの違いだそうです。
固形 → 脂肪酸ナトリウム塩
液体 → 脂肪酸カリウム塩
洗浄力は、どちらが上というものでもなく成分量や水の硬度で変わります。
ドラム式だと、ある程度洗剤を混ぜて泡立ちさせた状態で洗濯物に吹きかけていくので、溶け残りは少ないかもしれないですが、縦型の場合溶け残りを防ぐためにも水をためてから、粉洗剤を入れ攪拌してよく溶かしてから洗濯物を投入するか、洗剤をお湯で溶かして後から投入するなどしないと安全ではないです。
とても手間と時間がかかりますね。
洗剤自体は皮膚にそれほど悪くなくても、洗剤の溶かし方が悪かったり、洗濯槽の汚れから感作していることも考えられるので、洗剤選びよりもまずはそちらをしっかりやってみること。
水位が低かったり、洗濯物を入れ過ぎというのも溶け残りの原因になるので、気をつけましょう。
どうしても洗剤がダメという人は、水自体を変えるという方法もあります。
よく聞く、マグネシウムの粒を水に入れて、アルカリ性にするというものですね。
それに加え最近では、『マイクロバブル』、『ナノバブル』、『ウルトラファインバブル』という会社により色々な呼び方がありますが、水に非常に細かい酸素の泡を水流で作り出すことで、洗浄力を上げることができるものもあるので、東芝なら洗濯機についていたり、後付けのホースやコネクターもあるので、それらを組み合わせて洗浄力を試してみるのも良いのかもしれません。

私も洗濯機には後付けのマイクロバブルのホースと、お風呂でシャワーヘッドを使っています。
洗濯物は柔らかく感じますし、シャワーは頭皮が乾燥で突っ張るので脱脂力があるかなと思います。
私の皮脂なんて、デュピクセント使ってやっと出た微々たる量ですけど。
洗剤を使う、使わないにしても、水温は冷たいよりは温かい方が汚れ落ちは良く、水の硬度も関東と関西では違うので、水温➕硬度➕ph➕バブルの良い条件が合わされば、特別な汚れ以外は洗剤もいらないかもしれないですね。
一度使ったら洗濯する
衣服を着たら、そこには汗や油分、外気中のアレルゲンなど色々なものが付きます。
タオルなどは濡れたらそこから細菌が繁殖してきますから、そこに人体から出る有機物が付けば、それを餌にしてどんどん繁殖します。
ですから、細菌とアレルゲンの両面から見て、一度使ったら洗うという習慣をつけないと悪化原因を再度皮膚に近づけてしまうことになります。
とはいっても、冬場はセーターなど毎回洗えないし、洗わないものもあるので、
- ニットでも洗いやすい素材のものを選ぶ
- 襟や袖が汚れやすので、直接皮膚に触れないようにするためにも、タートルネックや襟付きのシャツ、インナーを着て、そちらを毎回変えて洗う
- 洗いにくいものは着ない
こういうことも意識しないと、いくらスキンケアができて薬を使っても、条件が整うと一気に悪化してしまうことがあります。
自分のものは自分だけで
アトピーの人がやってはいけないことは共有です。
菌をもらいやすからです。
アトピー肌の人は、菌が好む環境になりやすく、繁殖しやすいのです。
肌のバリア機能が弱く、湿疹が常に出ていると湿潤して有機物が出ているので菌が生きやすい。
肌構造がスカスカで皮膚の奥に入りやすい。
アレルギー性鼻炎も持っていて鼻をかむ機会や、目を擦ったり、皮膚を掻いたりするので待っていれば簡単に移動できる。
菌にとっては「サンキュー!アトピー💖」って感じかもしれないです。
なので、住みやすいところに飛んできます。
健康な皮膚では繁殖できないので、私たちに向かって飛んできます。
飛んでこないにしても、いくらでも菌は待ち構えています。それは私たちが意識せずにやっている時にです。
トイレやキッチンのタオルだったり、一緒に洗濯機で洗濯したりする時にです。
共有しているタオルは、複数人使っていれば濡れている時間が長く外から菌を持ってくる確率も高くなり菌が簡単に増えます。タオルを共有して使う場合は、頻回に変えた方が良いです。
タオルで手を拭き、その後ドアノブなどを触れば菌は簡単に共有されます。
服もそうです。色々なものがついてくるのに、一緒に洗って、汚れがきちんと落ちてない場合、皮膚に菌が移りやすくなります。
汚れが落ちたかどうかは目に見えて分かりやすいですが、洗ったからといって菌まできちんと落とせているということは分かりません。
ましてや保湿剤の油が少なからずコーティングしているのですから。
個人個人で分けて衣類は洗い、お風呂もそうですが水の共有は基本してはいけないです。
洗濯機はしょうがないところがありますが、コインランドリーは不特定多数が使っていて、洗剤は自動投入されてしまうものがあったり、洗剤や柔軟剤が残っていたり、洗濯機の洗浄をやっているか不確かなので、非常時以外は使わない方が懸命です。
コロナ禍であったり、ウィルスを気にする昨今ならば、タオルは共有せずに家でもペーパータオルを使っていたほうが安心です。
水位は高めで、すすぎも一回多く、水をケチらない
洗剤で洗う時も、すすぎの時も水が少ないと、洗濯物が広がらず泳ぎません。
洗濯物を入れる量が多くても洗濯物がうまく回らず、広がらず、泳ぎません。。
洗濯物がうまく泳がないと、内側の部分についている埃や皮が折り目に残ってうまく洗い流せないままになることがあります。
この洗い残しを最小限にするためにも水位は高めにします。
すすぎの回数も増やすことで洗剤残りも少なくなり、皮や埃がより落ちるので、回数を増やしましょう。
アトピー重症者あるあるですが、洗濯した時に内側になっている部分に皮がこびりついて、それが油を含んでいるので折り目やいたるところの隅っこに張り付いていて固まって落ちていないことがあります。
洗濯物が乾いてからその垢を取りますが、取りにくいのでガムテープなどの張り付くものでペタペタ取らないといけないです。

生地が薄いものだと、縫い合わせた生地の中に垢が溜まってきて膨らんで黒ずんでくることありませんか?
取れないから、結局服捨てないといけないの・・・💧
ポケットの中とかとんでもないほど溜まっていたりしませんか?

そうそう。洗濯物を見て、自分の重症度を自覚することありますよね。
自分以外の人のものにその皮がついてしまうので、家族から非難轟々です。そういうこともあるので、アトピーが出ている人は、個人個人で洗いましょう。
肌に接触する側(内側)の汚れをしっかり落とせるように、服は裏返しにして洗濯するといいですよ。
洗濯の時は、どうか水だけは多めに使ってください。
乾燥は乾燥機がベスト
乾燥の時にアトピーの人が気をつけないといけないことは、細菌をなるべく増殖させない、アレルゲンを付着させないということが重要です。
そこで一番アトピーに安全なのが、乾燥機で乾かすことです。
せっかく綺麗に洗えても、
乾燥に時間がかかる → 細菌が繁殖する
外に干す → アレルゲンが洗濯物につく
ということが起こるので、短時間に乾燥させることができて、外にも干さなくて良い乾燥機で乾かすのが一番なのです。
家のスペースや金銭の問題もあるので簡単には導入できないと思います。もうお持ちの方は、毎回使ってしっかり乾かしましょう。
私もスペースの問題もあり、ドラム式洗濯乾燥機にしました。
金銭的にも辛いものがありましたが、洗濯時の水温も上げやすいし、洗濯物を干す手間と時間、乾燥後の衣類やタオルの肌触りの良さとフワフワ感、洗濯槽内を乾燥させるのでアトピーにはメリットが大きいです。
夏は猛暑のおかげで2・3時間で乾くので、外に干して電気代節約していたりもします。
外に干す場合は、自分のアレルゲンの多くがどの時期のものなのか把握して、その時期は外には干さないことにしたり、部屋干しする時は除湿機や風を当ててなるべく早く乾かすということに気をつけるだけでもいいです。
冬に乾かないから外に二日とか干したままというのは最悪ですよ。
乾燥したものはコロコロか、掃除機でホコリを取る
水位を高くして洗濯しても、乾燥機をかけてもまだまだ埃は洗濯物に付いていたりするので、それをコロコロテープや掃除機で極力落とした方が良いです。
新品の物を洗った時、その後2回目くらいまでは埃がけっこう出ます。特にタオルの新品は綿埃がすごいです。洗濯機、乾燥機にもかなり綿埃が残っているので気をつけましょう。
寝具は洗ったら埃を取っておかないと、敏感な人は寝た時に咳や痒みの原因になります。敷布、カバー、枕でコロコロテープ2枚くらいしっかり埃が付きますから、この量は見逃せません。
シーツ交換の時に埃が多く舞うので、布団類を入れる前にシーツをコロコロをしておくのもオススメです。

新品のものはなんでも一度洗ってから使った方が良いです。
埃を落とすだけではなく、布製品全般にはノリや防腐剤が付いていたり、作る過程で多くの機械や人に触れているので、菌も付いています。こうこともアトピーには大事です。

まとめ
普段何気なくやっている洗濯でも、少し気をつけることでアトピーの悪化要因が取り除くことができるということが分かっていただけたでしょうか。
今までやっていたことが皮膚にあまり良くないということに気づけてくれたでしょうか。
良かれと思って使っていた石鹸系の洗剤が皮膚に悪かったり
洗濯するだけでも埃は取れたようで取れていない。むしろ再付着することもあったり
細菌やアレルゲンも洗い流せたようであまり落ちていなかったり、増えたりすることもあるのです。
洗濯物は肌に直接触れていて、その時間も長いために皮膚に影響が大きく出てしまいますから、ちょっと面倒なことが増えてしまうかもしれないですが、今までの洗濯と違うところがあれば見直して実験して見てください。