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〈個人的事例① 〉 汁と皮が出っぱしの手

思い出 参考程度のこと


アトピーが悪化するのには、必ず原因があります。

今思い出すと、そういうことだったのか・・・。

アトピーの悪化原因を理解すると、昔の悪化にバチコーンと合点がいくことがあったので個人的な症例ですが紹介します。

あくまでも症例報告としての記事のため、カテゴリーも参考程度としてあります。

少しばかりグロい写真出てくるので、弱い方はお気をつけください



当時の症状


軽くぶつけただけ、手を強く握っただけで皮膚がぱっくり裂ける

皮がほぼ無くて、滲出液が出っぱなしなので、ペンも箸も持つのが辛い

皮がやっと薄く張っても、痒くて掻いてしまってボロボロむけ落ちる

掻きすぎて爪が減りすぎて凹型、そしてグラグラで剥がれそう

手の甲(外側)が何年も炎症と腫れが出たままだったけど、手のひらから指の股までジュクジュクで滲出液が止まらないのは初めてで、

上半身もそれに伴いどんどん悪化。

かろうじて奥二重だった瞼は浮腫んで一重でグニャグニャして戻らない。


夏場は全身悪化することはあるけど、涼しくなってくると落ち着くのに、季節関係なくずっと悪いまま

部屋の床は皮(落屑)で白っぽくてザラザラ。掃除機での掃除は頻回。



どうしてここまで悪化してしまったのか、当時はわかりませんでした。



当時の生活状況


その当時、脱ステ中ではありましたが、10年は経っていました。

仕事は看護師はやっていなくて、企業でパソコンのデスク仕事。

仕事は週四。

職場の席替えで貧乏ゆすりする男性の隣になりイラついたけど、痒くて眠れない方が辛い。

親との関係性やストレスがアトピーの原因だという説を実証実験するために、一人暮らしをして4年くらい経過。

どうしようもない痒みの時にアタラックスPを内服するくらいで、メンタル面の内服は無し。

漢方薬で薬疹が出て飲めず、ビタミン剤もコバルト(ビタミンB群の構成要素)の金属アレルギーがあるせいか皮膚が悪化するので飲めず、お昼はお弁当を持っていったり食事をかなり気をつけていた。

卵と乳製品の食物アレルギーもあったのと、大豆も検査数値が高かったので除去していたので、外食でも食べれられるものもあまりなく、食物アレルギーに対応した食品は値段も高くてお金の節約のためもありほとんど自炊。

手のひらのジュクジュクは1年以上続いていて、手袋をしても物を触るのが辛く自炊もあまりできなくなってきていた。


毎晩寝る前は1時間かけて、両手にボチ(亜鉛華軟膏のシート)を貼って→ガーゼ→包帯で覆い、朝には包帯まで滲出液が滲み出てきたり

外に出るときは流石にフランケンシュタインのような有様なので、擦れて痛みや滲出液が出るようなところだけ包帯で保護してから出るという生活を1年以上。




指に巻いている包帯はガーゼ包帯で、爪で直接掻かないようにする目的でも巻いていました。

手に巻く弾性包帯は洗濯して使えても、指のガーゼ包帯は掻きむしるため一晩でボロボロになり滲出液で汚れるので使い捨て。衛生材料にも結構お金がかかっていました。

症状悪化により、金銭的な問題や対処に時間と体力を使うのがストレスという面もありますが、症状の悪化のほうがストレスより先に生じた問題として考えました。


要は、よく言われる食事やストレスといったメンタル面の悪化原因と思われているものに対して、行動して自分の中でアセスメントして、原因ではないと立証していました。


それでもステロイドを使わなかった訳



脱ステしてかれこれ10年経とうとしていて、今頃またリバウンドが出てきたとか言える症状の出かたでもなく、流石にもうステロイドだけが悪化原因ではないと分かりつつも、

20代という一番楽しめる年齢の時期を犠牲にして

綺麗に着飾り楽しそうにしている人たちを横目に、醜い姿で異臭を放ち、家に引きこもり辛酸舐めた日々と自分を否定してステロイドを使うということはとても勇気がいることで、ここまで頑張ったのだからもう少し頑張ろうかという一種の貧乏根性で薬を使うのを躊躇していました。


それと同時に、ステロイドを常用していてもどんどん悪化してステロイドが効かなくなった過去の症状の原因もわからないままだったので、ステロイド再使用で本当に正解なのかという疑問も持っていました。

ステロイドのリバウンドはあるということは身をもって体験したので、またそういう状況になるのは嫌だった。

脱ステは本当に大変で危険なので勧めませんが、実際ステロイドを止めてから悪化原因が分かりやすくなったこともあったし、色々やって下半身のアトピーは出なくなっていたので、脱ステの全てを否定することもできないとも思っていました。

今回の手から上半身の悪化についても、病院に行ってステロイドだけ出されて終わりということは簡単に想像ができて、そのステロイドも効かない炎症ということが自分の経験上分かっていましたから、ステロイドを使えば一時しのぎにはなるけど、悪化原因が分からないまま使うということはしたくなかったのです。



ときどきナース
ときどきナース

過去に発熱が二週間続き、5キロ痩せて大学病院に緊急入院してMRSAに感染していることが判りました。医師のスキンケア管理のもとできちんとステロイド軟膏も使い一か月以上経っても変化しなかったので、入院していた時に他の患者さんと話しを色々と聞いて、脱ステの実験を強行しました。

止めて3日目の朝、痛みで起きましたが目が目ヤニで開かなくて、鏡を見たら更に赤くパンパンに腫れて滲出液も汗の様ににじみ出てきていました。あまりの急激な変化で辛くて三日も経たずにヒヨってステロイドを使ったら元に戻ったので、ステロイドはそれなりに効いていたのだということは分かりました。


でも、またステロイドを止めてリバウンドが出た状況は1か月半後には一度落ち着き、背中は綺麗になり退院しました。合計3か月くらいの入院でした。

でも、その1か月後にまた悪化して再入院したんですけどね。


その落ち着いた要因は、別件で行った手術の時に使った抗生物質ということが何年後かに判りました。


黙って見守ってケアしてくれていた当時の先生たち、ご迷惑おかけしました。


やれることはやったと思っていた


抗生物質を使用すると良くなることが分かっていたので、もらいたいけど簡単には出してもらえない

私はセフェム系とクラビットは薬疹が出るので、これ以上使えない抗生物質が増えてしまうのは必要な時に使えないと生命に危険が及ぶので安易には使えない。

そこで、ちょうど子宮筋腫が大きくなり色々症状が辛くなってきていたので、手術をすれば点滴の抗生物質が使えるし、貧血も改善しないと皮膚には悪い、痒みでちゃんと寝れないことで仕事も辛くなってきていたので一度仕事を辞めて、手術してみることにしたのです。

その時考えられる皮膚に悪そうなことを全てリセットするために。

それでダメだったらステロイド使ってみようという身体をはった実験です。

長くても2か月くらいで回復する手術の怖さと痛みよりも、私にはアトピーの方が辛かったのです。


それでも、開腹手術をして、術後に39℃の発熱が出たので皮膚も連動して急激に悪化して落屑がとんでもなく出ました。想像以上に苦しかったです。

ときどきナース
ときどきナース

手術当日の担当の看護師が、手術前と後の状態を観ていて、「アトピーがこんなに大変だとは思わなかった」と言われました。

漫画ブラックジャックの皮膚から葉っぱが出てくる患者の話がありますが、その葉っぱ並みに皮膚が剥けてくる感覚に近いものがあります。


前出の手術からは10年経っています。この間にも3回手術して抗生物質の薬疹が出てしまったということです。っていうか、何回手術してるんだか。。。

看護師の経験より、患者経験の方が多いんです💧


手術は上手くいきましたが、結局点滴の抗生物質でも皮膚の改善は見られず、手術とアトピーでの体力消耗と、術後の痛みで食事量も減り、卵と乳製品、大豆アレルギーに対応できない病院食で低栄養状態となってしまい・・・


医師
医師

特にやることないし、退院して家に帰って好きなもん食べた方がいいよ。

ちょっと早いけど退院して。


なかば強制退院。


ときどきナース
ときどきナース

手もジュクジュクだし、お腹痛いから重いもの持って長距離歩けないし、一人暮らしで買い出しとか頼れる人が近くにいないからもう少し入院していたいんですけど・・・泣



症状が改善した転機


術後、無職、アトピーひどいままのこんな状況で家でネットをやっている時にセタフィルを知ったのです。

まともに使える石鹸もなかったので、評判の良いセタフィルジェントルクレンザーを使ってみました。



そうしたら、一週間もするとジュクジュクの手が少しずつ改善してきて、二週間後には症状は半減してきていました。

入浴回数は変わらずだったのに、洗剤で改善するということは細菌しかありません。

しかし、他の部位はそれほどの劇的な変化はなかったので、ステロイドの注射と軟膏、抗生物質の治療を受け、細菌とアレルゲンを意識したスキンケアと生活を継続していくことで、ジュクジュクした手に戻らなくなりました。


ときどきナース
ときどきナース

数年前に調子に乗って耳鼻科クリニックに勤務したら、手指がまた大変なことになって辞めました。

耳鼻科は診察を嫌がる子どもを押さえたり、鼻水を拭いてあげたりしないといけなかったので、菌に感染してしまったようです。人手不足でなかなか辞められずに感染が深くなり抗生物質や内服のステロイド治療してもあまり効かず、3か月くらい無職でなるべく何もしないようにしてやっと皮膚が張りました。

同じ業務を行なっている同僚たちは手荒れくらいで済んでいるので、遺伝的な皮膚の構造的脆弱さからの易感染はあまり変わっていなくて、過去のダメージでさらに弱くなっているようです。


一度重症化すると元の皮膚には戻らないから、炎症はなるべく早く治して弱い皮膚にならないようにしてくださいね。



考察


では、事務系のパソコン仕事していた時期なのに何で悪化ししまったのか。


それを『細菌』という悪化原因を頭に入れて考えてみると、見えてくることがありました。

その職場に入って3年くらい経ち、症状的には大きく増減していなかったのに、手の悪化が始まる前に不景気で色々な経費削減がおこなわれていて、その一つが、

トイレ置いてあったペーパータオル廃止だったのです。

そのことで、各自ハンカチやタオルを持ってくるようになるのですが、人によっては毎日変えない人はいるだろうし、何日も使っているという人もいると思います。

拭くものを持ってくるのを忘れて、手を洗っていないという人もいそうです。。。

せっかく手を石鹸で洗っていても、拭くものが清潔でないと菌を擦り付けてしまう行為です。


そして、個人情報を扱う部署だったので、カードリーダーを使って出入りするくらいなのでその都度ドアを開閉しないといけず、ドアノブを触る

ビルの構造的にも、閉ざされたドアを出ないとトイレに行けないので、何百人もの職員がそのドアノブを一日何回も必ず触る。

その当時はセタフィルはつかていなくて、石鹸もほとんど使えず水洗いだけで、濡らすのも辛いので短時間のみの手洗い。

そのドアノブを触った手で顔、身体を触る。掻く。→菌が付く

前出した手のひらの写真を見ると分かりますが、ドアノブを掴んで触れる部分と、湿疹の出ている部分が一緒なのが分かります。

元々ニッケルアレルギーもあり、ドアノブの金属にはニッケルが入っていると思うので、少なからずアレルギーを起こしつつ弱った皮膚に菌が付き感染をも起こしていったと考察しています。その前から手の甲の状態は良くなかったということも、菌が付きやすかった要因であると思います。



まとめ


自分の身体には抗生物質が効くという事実をあまり深く考察せず、普通の人よりはどこにどうすれば菌が発生増殖しやすいのかという医療で得た知識はあったのに、それを活かしきれていなくて他のことばかりしていました。


でも今は、どこに、どのように菌が繁殖していて皮膚を悪化させるのかというのが普通の人よりは分かるので、スキンケアなどの対処方法も上手くできていると自負しています。

  1. アトピー悪化要因を把握して
  2. 自分が悪化していった時期や状況を省みる
  3. そこに一致したものを除去、又は対処する

このプロセスを大事にして、自分の悪化パターンを把握した上でそれに対応するスキンケアを継続していると、安定していき薬も減らしていけるのではないかと思います。


私の症例が、少しでも参考になったら嬉しいです。

参考程度のこと
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ときどきナース

アトピーを飼い慣らしつつ、時々看護師をして暮らしています。

成人してからアトピーが劇悪化して、大学病院に入院を何回もしています。

脱ステや色々なことを試して、自分の身体で人体実験を20年はしました。

アレルギーが多いので、今はデュプリマブと時々軟膏を使っています。

見た目にはあまりアトピーと気付かれないくらいになっています。

アトピーを飼い慣らすには、スキンケアが重要です。

多くの人のアトピーが少しでも良くなって、当たり前の生活を過ごせ、日々楽しんでもらいたいという願いからこのサイトを作りました。

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