アトピーが重症であればあるほど、ワセリンは必需品で使用量が多いものです。
ワセリン以外の保湿剤であっても、ちょっと塗ったくらいでは乾燥がひどすぎて頻回に塗らないとすぐに乾燥してきます。
そういう状態が続くと、油分が衣類に染み込んで、しっとりしてきてしまいます。
この染み込んだ油汚れが、地味にアトピーを悪化させていたりします。
特に首の周囲の治りが悪い時は、この汚れも悪化のトリガーとして対処してみた方が良いです。

袖口や襟、デコルテの部分ってすぐ黒く油っぽくシトシトになりますよね
そこで、普通の洗濯だけでは落ちなくて残っていく保湿剤汚れを落とす方法シェアします。
前の記事の洗濯方法補足としての記事でもあります。
長年のアトピー生活で創意工夫して編み出したやり方ですが、もっと良い方方法があるという方は、どうぞメッセージください。
用意するもの
粉の酸素系漂白剤
特にメーカー指定はありませんが液体ではなく、粉の酸素系漂白剤です。
これで除菌もできます。
ご自分で使いやすいもの、お得なもの、信用しているメーカーなどがあればそれをお使いください。
洗濯物の量にもよりますが、多めに使うので、100円均一くらいで売られている量であれば一回で使い切るくらいのつもりで用意して下さい。
オキシクリーンは、海外ものと日本国内仕様で成分が違うようなので、表示成分はご自身で確認して下さい。
ただ、日本仕様のオキシクリンは割高なのでシャボン玉石鹸の酸素系漂白剤の方がお得かもしれません。
西友は自社ブランドのものがあるので、それもお得な値段でした。
熱に強く水が溜められるもの
桶やたらい、洗面台でも熱に強く水が溜められるものであればなんでも良いです。
漂白したいものが、浸るくらいの大きさで、水が抜けないものを用意します。
すすぐ時にお湯を使うので、湯沸かし器のお湯が出る水栓の近くで使えるものが良いです。
ゴム手袋
手の皮膚は問題ない方でも、素手で触らない方が安全です。
湯温がある状態で洗うので、ゴム手袋内で汗をかきますから、綿の手袋もはめて下さい。
手袋内の高温、高湿度は人によっては痒みにつながります。
ゴム手袋はご自分専用にして共有はしないでください。
中が湿気っていたら、しっかり干して乾かして下さい。
湿気ったままだとすぐに細菌が繁殖してしまいます。
綿の手袋は一度使ったら、または一日で交換して、洗濯をしたものを使用して下さい。
手に湿疹が出ている人は尚更です。
酸素系漂白剤でかぶれるということではなく、汗をかいたもの、使ったものには細菌がつきます。
起毛素材、厚手の手袋は特にいつの間にか中がカビていたりするので、使用する時には気をつけないと脆弱な皮膚は感染を起こしてしまいます。
熱湯
酸素系漂白剤の説明では40〜60℃くらいの温度が良いとは記載されていますが、ワセリンはそれくらいの温度ではなかなか落ちないので、80以上の熱湯が理想です。
完全には無理ですが、除菌も考慮した温度です。
それくらいの温度であれば、ポットか台所でお湯を沸かさないといけないので一回量が限られてしまいますから、お湯を沸かして→かける ということを洗濯物の量によって繰り返すことになります。
熱いお湯は、しっかりひたるほどの量まで使わなくても良く、洗濯物が全部が濡れて少しお湯が貯まっていることが見えるくらいの量くらいでも良いです。
その後湯沸かし器のお湯を足せれば良いからです。

染み込んだワセリンを抜く手順
やる前の注意点
熱湯を使うので火傷をしないように十分注意を払うこと。
お湯を酸素系漂白剤にかけると、発泡してかなりの蒸気と臭気が発生するので、換気に気をつけて、蒸気の近くに顔などをもっていかないように気をつける。
蒸気には刺激もあるので、眼は眼鏡や鼻はマスクをして保護した方がより安全。
熱湯は綿や麻100%の素材しかかけられないです。
まずはタオルや綿100%の古めの下着などで試してみましょう。
化繊のものについてはタグのアイロン表記、又はアイロンの説明書に載っている繊維別に使える温度設定くらいが安全な水温です。
普通コースの洗濯機で洗えないものは、熱めのお湯を使うことで風合いがそこなったり変形することもあるので、無理に行わないで下さい。
ボタンは熱湯で変形するかもしれないので、ボタンには直接熱湯をかけないようにして下さい。
乾いた状態の洗濯物をたらいに入れる
酸素系漂白剤の発泡が布の奥まで入っていくことが大事なので、あらかじめ濡れていると布の吸収力がないので奥まで入っていきませんし、温度が下がります。
そうするとワセリンの落ちが悪くなるので、洗濯前の乾いた状態のものを「熱に強い水の溜められるもの」に入れます。
汚れがひどく落としたいところ、襟や袖口であれば、肌に当たる側を一番上に置いて、熱湯が直接かかるようにセットします。
洗濯物の上に酸素系漂白剤を振りかける
洗濯物の上にまんべんなく振りかけます。
量は洗濯物の量と水量にもよりますが、少なすぎると発泡が少ないので、衣類と粉が半々に見えるくらいまではしっかり振りかけます。
少なかったら後から入れても良いのですが、最初の強い発泡で違いが出てくるので、初めにしっかりかけておくほうが満足いく仕上がりになると思います。
熱湯を上からかける
ポットよりはヤカンの方がまんべんなくかけやすいのでおすすめです。
コーヒーを入れる感覚で、熱湯を粉にかけて溶かしていきます。
溶け残りがあれば、お湯を足したり、熱湯にも大丈夫な棒などを使い粉を溶かし、洗濯物を押してしっかり熱湯が衣類に回るようにします。
発泡の音が弱くなってきてから湯沸かし器で40℃以上のお湯を足しても良いですが、あまり一気に温度が下がらないようにしましょう。
1、2時間はそのまま放置
気温、室温によっても湯温の下がり具合も違いますが、1、2時間は放置してゴム手袋をしていても温さを感じる温度まで待ちます。
温度は落ちきらない方が良いです。
忘れていて放置したままになったとしても大丈夫なのですが、水の表面が豚骨ラーメンの油の膜のようになって手袋がベトベトになるので覚悟して下さい。
手でもみ洗いする
適度なぬるま湯になったら洗濯物の油を押し出すように底の物と上の物を入れ替えたりしながら、まんべんなく押し洗いします。
水量が少なくなっていればお湯を少し足しても良いですが、濃度があまり薄まらないようにします。
汚れのひどいことろはモミモミ、ゴシゴシと手洗いします。
ブラシを使うと油が回ってしまい、他の洗濯物に使えなくなりこともあるので手洗いで汚れ落ちを確認しながらしっかり揉みます。
重症の方で多く保湿剤を使っていると、服の縫い合わせの中までにも垢のようなものが貯まって、黒ずんでゴロゴロして見えるので、それ擦ったり揉んだりして洗っていると段々となくなってスッキリしていきます。
汚れが落ちてくると、お湯が黒ずんだ豚骨ラーメンスープのようになっていきます。
お湯でよくすすぐ
汚れが落ちたと思ったら、酸素系漂白剤の入ったお湯を抜いて、少し手で絞り湯沸かし器のお湯ですすいでいきます。
この時も押したりして、奥に残っている黒ずんだ豚骨スープを出します。
奥にまで入り込んでいた自分の皮が表面に出てきて残っているので、洗濯物を広げたり、袖など筒状のところには中に水を通したりして、ある程度皮が水の表面に浮いてこないくらいになるまですすぎます。
バチャバチャとすすいでいると、水が跳ねたり飛んでくるので着ているものがびしょびしょになったりすることがありますから、エプロンや汚れても良い服装ですすぎをおこなって下さい。
普段通りに洗濯機で洗う
ここまでやったら、普段通りに洗濯機で洗って、乾燥です。
天日干しだと結構パリパリになるので、柔軟剤が使える方は使っても良いですが、乾燥機があれば柔軟剤はいらないです。
ですが、個人の肌感覚や好みもありますので、乾燥は何通りかやってみて、ご自分の肌に合うやり方で乾燥までして下さい。
洗濯機に入れた後は、使った洗面台やタライは油が付いているので、中性洗剤で洗います。

まとめ
アトピーは痒さや皮膚状態、見た目だけが辛いのではなく、日常の洗濯や掃除でも普通にできずに皮の処理や保湿剤の汚れに手間がかかるので、これが地味に大変なのです。
皮膚の状態が悪い時ほど掃除や洗濯が大変になるので、皮膚状態が悪いだけでもしんどいのに、洗濯や掃除を蔑ろにすると余計に悪化するので手抜きができずに体力を使います。
油を抜くには鍋に重曹を入れてしばらく煮るという方法もありますが、そんなに量が洗えませんし、下着を鍋に入れるというのもなんとなく嫌ですよね。
ワセリンカットというものもありますが、割高です。
酸素系漂白剤であれば、手に入りやすく、高いものでもなく、除菌もできます。
揉んだり体力を使いますが、毎日やるものでもないので、体力がある時にやれば良いです。
衣類がしっとりしてきたら、なんか皮膚が地味に調子悪いなと感じたらやってみて下さい。