アトピーの人で、ダニ、ハウスダスト、カビ(真菌類)に全く反応がないという方は、ほぼいないと思います。
ダニ、ハウスダスト、カビは空気中に浮いていて、常に皮膚に接しています。
呼吸をすれば鼻粘膜、気管支と接します。
それに加え花粉やPM2.5などもアレルギーの原因で、これらは家に入り込んできます。
なので病院からは、
「こまめに掃除しましょう」「換気をしましょう」
くらいのことは言われ、掃除機を毎日しっかりかけてきたという人も多いと思います。
ですが、これらの原因はどんなに頑張っても0(ゼロ)にはできません。
お子さんをどうにかして治そうと掃除機を一生懸命丁寧に時間をかけている人
ちゃんとやらなきゃと思いすぎて、体力的にも精神的にも追いつめられて、疲れきってしまっている人
こんなにやっているけど何が悪いのだろう
何が足りないのだろうと自分を責めてしまっている人も多いです。

一日に何回も掃除機かけて頑張っているのに、全然アトピーよくならないんです。
掃除って、あと何をやればアトピー良くなるんですか!?
また、掃除というと掃除機が一番に思い浮かべられ、掃除機の機能に意識が向きがちです。
吸引力は確かに大事なポイントですが、掃除機の排気、掃除機内に集めたゴミの対処機能もアレルギー的視点から見て大事なポイントになります。
しかしどんな良い機能があっても、掃除機の使い方次第でアレルギーに悪さをする代物に変わってしまうことがあります。
つまり、良いことと思ってやっていることが、アレルギー的にはあまり良くないことをしてしまっている場合があります。
掃除のポイントを押さえて効率よくできれば、労力とアレルギー反応は最小限にできるので、日々の身体の負担は軽くなります。
普通に生活している限り原因のアレルゲンを0(ゼロ)にはできませんが、掃除で接する量を減らすことはできます。
それがアレルギー疾患においてとても重要です。
どんなに良い薬を使っても、接する機会、量が多ければその効力を超えてアレルギーは出てくるからです。
今回はフローリングやクッションフロアーなど繊維の床でない掃除方法がメインの記事です。
効率的な掃除方法
8時間程度空気が動いていない状態で掃除する
埃は軽いのでかなり空中に浮いていて、なかなか落ちてきません。
エアコンで空気が動いていたり、人が動くだけですぐに舞い上がります。
掃除をすれば舞い上がる量を減らすことができ、アレルゲンの曝露量を減らすことにもつながるのですが、
掃除機をかけると、排気により空気が動きアレルゲンを舞い上がらせてしまい、掃除機で大した量を吸えていない状態になってしまうことがあります。
一度舞い上がってしまうと、6〜8時間は床に沈んでこないというダスキンさんの実験結果があります。
※動画では9時間と言っていますが、掃除機の強い排気で舞わせた場合のことだと思うので、前に聞いた時は6〜8時間ほどでした。
ですから、空気が動いていない状態が6〜8時間くらい続いた状態で掃除をすると効率よく、より埃を除去できます。
8時間くらい空気が動かない時間は家毎に違いがありますが、
⏰起床してすぐ
🚪外出から帰ってきた時
が共通してあります。
起きてトイレに行きがてら、家に入って行くときに掃除をすることでより効率的に掃除ができます。

喘息発作が朝に多い理由は自律神経やホルモンの日内変動によるもの、室温の変化が原因に上がりますが、寝ている朝方に埃が下に落ちてくるので、アレルゲンが量的に増えるのも原因の一つだと思っています。
この間アレルギー学会に参加したけどそのことには触れていなかったので推測でしかありませんが。。。
この方法だと床の埃が舞い上がらずに効率よく埃が多く取れることで、棚などにたまる埃が少なくなり、全体的に掃除する回数も減り楽になります。
そのためにも、なるべく一日一回は空気が一定時間動いていなかった状態の床を掃除をした方が良いです。
掃除機よりはモップやワイパーの方が空気を動かさない
掃除機は強い排気で空気を動かしてアレルゲンも舞い上げてしまうので、アレルギー的には毎日使うのはおすすめできません。
モップでは処理できない大きめのゴミがある時
モップで集めたゴミを吸う時
布製品の布団やソファーの埃をとる時
などモップでは処理できないような掃除の時だけ掃除機を出すようにして、短時間だけ使用することでアレルゲンの拡散を最小限にすることができます。
落屑は、モップなどで一か所に集めてから掃除機で吸うことで、掃除機の排気で皮が飛び散って舞うということが少なくなります。

重症になればなるほど皮がいっぱい落ちるから、アレルゲンのためだけでなく、掃除機を一日に何回もかけないと部屋がとんでもないことになってしまうのです・・・。
ワイパーだけだと落ちている皮は綺麗には取れないし、足の裏、靴下の裏に落ちた皮がいっぱい引っ付いていてキリがないんです。掃除機かけないと色々白っぽくなります。
重症の方には、掃除機はなるべく使わないでとは正直言えないところではあります。。。
モップは乾いたものよりウエットの方が良い
掃除全般に言えることではありますが、乾いたもので拭くよりも、濡れているもので拭く方がより綺麗になります。
床の素材にもよりますが、フローリングワイパー用のシートは乾いたものよりウェットの方がより埃が取れます。
乾いているものだと、汚れがあまり取れていないこともあり、汚れを床に擦り付けていることがあります。
ウェットタイプでも埃を床に擦り付けていることがありますが、ドライのものより量は少ないので濡れているものの方が良いです。
ただ、ダスキンなのどのモップは吸着剤が付いているので、ウェットのシートより見えない埃まで綺麗に取れているようです。
フローリング材の溝の埃は、ウェットでも手拭きでもほぼ取れていません。掃除機でも機種によっては全く取れていないことがあります。
段々と油分なども含み汚れが固まり溜まっていくので、単なる埃である時に掃除で取り除けた方が後々楽です。
日々簡単に取れる機具は便利で掃除の味方です。
そういう点からもダスキンなどの高い清掃道具は性能が魅力的です。

ダスキンの回し者ではありません。特に金銭は発生していません。
埃や掃除の実験映像を社員の方に見せてもらったことがありますが、見ると素直にすごいものはすごいと思っています。
掃除機具がアレルギー的に良いのは分かっていても、金銭的なこと、部屋の広さや床材、同居人数によって導入を迷うところなので、何を優先して判断するかだと思います。
普段から空気清浄機を回しておく
空気中に舞う埃の量が少なくなれば、アレルギーも掃除も楽になります。
シーツ交換をすると布団、シーツ、床の埃を大きく動かすので見えていないだけで結構埃が舞います。
そして人が動くことで、一緒に動いて遠くにも行きます。
週一回シーツ交換して、布団に掃除機をかけて気をつけていても、敏感な人はすぐに反応が出てくることがあります。
多くの埃が舞う行為を行う時は、空気清浄機を近くで使うことでその後の埃量が変わります。
床に沈んでしまったハウスダストは空気清浄機では吸えないため、舞ってしまっているものを吸うのが空気清浄機の役割です。
ですから、8時間空気が動いていない部屋で、落ちてきた埃を効率よく少なくするためにも空気清浄機をつけっぱなしにしておくことをオススメします。
もちろん窓を開けて換気も行って欲しいですが、周辺環境にもよりますし、花粉に反応がある場合はあまり長時間窓を開けていると花粉が入ってきて反応が出てきてしまう恐れがありますから、そこは個人の事情を考慮して換気をして欲しいです。
モップをかけてから掃除機を使う
簡単にでもモップをかけて埃を減らした状態で掃除機をかければ、床の埃をそれほど舞上げなくて済みます。
二重に手間がかかるので、毎回やって欲しいことではないです。
大きめのゴミや埃を集めて、最後に掃除機で吸うくらいの段階で掃除機を使います。
基本は空気を動かさないようにして効率的に掃除をして欲しいので、モップの後に細かいところを掃除機で吸うという流れの方が安全です。
どうしても掃除機を使いたい場面もありますから、そういう時にはこういうやり方も覚えておいてください。
たまには手拭きで水拭きする
水拭きした後は床が気持ち良いですね。モップだけとはまた違います。
気持ちだけでなく足裏も気持ち良いです。
小さいお子さんがいれば床に食べこぼしや手垢の油性の汚れもより付くので、モップより水拭き向きな汚れがあります。
毎日手拭きなどしていられませんから、たまにで大丈夫です。
上記に載せたダスキンさんの動画で、水拭きでも埃は残るという映像がありましたが、普通のタオルからもケバがどうしても出ますから、埃として残ります。
ですが、高性能のクロス(雑巾)など使えばそれほど残らず問題ないと思います。
ただ、水拭きに使った雑巾はよく洗剤で洗い、素早く乾かして雑菌が雑巾内で繁殖しにくくしておかないと、雑菌を擦り付けてしまうので、使用するものにも注意が必要です。
※掃除の実演動画あります。
掃除機でアレルギーに配慮して掃除するポイント
掃除機の排気は吸引力に比例するものなので、排気が少ない、音が小さいタイプだと吸引力も弱いです。
吸引力については家の事情を考慮し、ご自身が望むものを購入してください。
内部のフィルターが大事
紙パック式、サイクロン式共に内部にはフィルターがあります。
このフィルターの種類、お手入れでかなり排気の質も変わります。
どちらにしろ、HEPAフィルターが付いているものが推奨されています。
HEPAフィルターは、JIS規定があるので、0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率を持たないとHEPAとは名乗れません。(その他にも難しい規定があります)
ハウスダスト、ダニの死骸、花粉 10〜100μm
ほこり、バクテリア、カビ 1〜10μm
黄砂 4μm
PM2.5 2.5μm
ダニのフン、ペットのフケ 1μm
タバコの煙 1μm以下
インフルエンザウイルス 0.1μm
大体のアレルゲンがHEPAフィルターを通すと排気されにくいということになります。
HEPAフィルター以外で、その会社独自のフィルターが使われている場合は、構造なども実際に見て確認しておくことが必要です。
紙パック自体に高機能なものもあります。しかし、純正品でないと口の大きさがきっちり合わず、吸ったものが漏れてしまうことがあるので、なるべく純正品が良いです。
昔の掃除機に使われていた布製のフィルターは論外です。
内部フィルターのお手入れ方法や期間も排気に左右するので、その点も気をつけましょう。
集塵したゴミの処理も大事
紙パックにしろ、サイクロン方式にしろ、集めた埃やゴミを長期間ためたままにしないほうが良いです。
紙パックは少ない量で捨てるのはもったいないので賛否分かれるところだと思いますが、集塵した中には食べ物のカスや菌が一緒くたに入っているので、細菌、真菌(カビ)が繁殖している場合が多いです。
そういうものが排気された時には臭いを感じます。
変な臭いがすれば、細菌たちが大繁殖しています。
フィルターがしっかりしたものが付いていなければ、そういったものから出た強い排気と一緒に撒き散らかされることになりますから、こまめに集塵したゴミを捨てるということも忘れずにやってください。

まとめ
空気中に浮いていたり、潜んでいるアレルゲンの量や種類を減らせるのは掃除、洗濯です。
これらは自分でできるアレルギーの対処法で、毎日のように行う日常の行為を丁寧にすることでアレルギーの症状を和らげ、安定、維持することができます。
もちろんこれらは万能ではありません。
アレルゲンを全く無にすることは普通ではできないことだからです。
アレルギー反応が強い人にはとても微量なものでも反応してしまうからです。
根治解決の可能性がある免疫療法も限られたものしかなく、最新の生物学的製剤でしても薬の効果を超えて出てきてしまっている例もあります。
標準治療や最新の治療をしていようが、民間療法をしていようが、アレルゲンとの接触を極力少なくする努力を放棄すべきではないし、放棄してはもったいないです。
可能性は、自分が握っています。
自宅、職場、車の中などよくいる場所を掃除してみましょう。