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アトピーの人に最適な寝具を考える 【後編】

good bed room 重要なこと


前編は理想的で最良なことを書いてみました。



普段の生活はそうもいかないのが現実です。

金銭問題、家の間取りやスペースの問題、家族構成で寝具選びも変わってきます。

お金もスペースもある人は良いですが、どこまで現実的な対策を無理なく継続してできるかが慢性疾患の場合は特に大事です。

医者からこうした方が良いと言われたとしても、

患者A子<br>
患者A子

そう言われてもうちの場合その通りにはできないところもあるし…

困ったな…


なんて内心思って途方に暮れることもあります。

個別の事情を聞いてアドバイスできれば良いですが、医師もじっくり話を聞く時間が取れないことも多く、患者さんも遠慮して聞けないことが多いのではないでしょうか。

ここでも個別の事情をお伺いできないですが、日本の家庭で起こりうる事をできる限り踏まえながら、寝具で生じる不快な反応が起こらないように対応と工夫を書いていきます。


寝具の工夫

アレルゲンを全く無くすことは不可能に近いので、寝具のダニ(死骸含む)や埃、カビをどれだけ少なくできるか近づけないようにしするか増やさないようにするかという視座から、意識なく接し続けてしまう悪化因子になるべく無理なく苦痛のないように日常に溶け込ませた対処を行うことが工夫の肝であると考えます。

それに加えアトピーの人は荒れた皮膚から常に水分が抜けていたり、重症者はより一層蒸れたり肌触りには異常に敏感なため通気性素材も大事で、これらも加味した物を選ばないと悪化したりQOLが下がります。

厳選し高価なものを購入しても、使ってみてから通気性が悪くて蒸れる、化繊でツルツルしすぎてシーツの中で布団がズレる、薄くて寒い、冬は静電気が出る、冷たい、といった使ってみないと分からない不満がアレルギーを考慮した製品にはありがちで、アトピー酷い時に余計な手間暇かけるのは本当に辛い。

物を買い揃える初期投資、維持の手間を考えると一人分でも結構大変で、小さいお子さんと家族で一緒に寝る様な環境の方は全員分やってもらわないと意味がないので、永く使えるものであっても金銭面と労力的、継続的にかなり大変です。

ときどきナース
ときどきナース

私もダニ対策と肌触りを考え綿100%のアレルギーに対応した寝具とシーツ類を一式揃えましたが、高気密過ぎて生地が分厚いため重く、全身に湿疹が出ている時は蒸れたり、冬入った時に冷たかったり、しまいには布団の裏側だけ湿気が溜まってオネショしたみたいに濡れていたことがありました💧

シーツ以外は結局使わなくなり、20万くらいしたのにパア。買ってもらった親にいっぱい文句言われました。


布団やシーツを一式揃えると結構な金額になりますから、使えそうなものは使って徐々に傷んできたら買い替えるというくらいが現実的にはなるかと思いますが、一気に変えられる人は思い切って変えた方が効果は判りやすいとは思います。それで効果を感じなかった時はちょっと損した気分にはなりますけど、その後も不満なく使えたら大損にはなりませんから少しでも満足のいく物を探してみましょう。

そこで全部買い替え、部分買い替えでも共通な購入時のポイントを書いていきます!

また長文です!!


今ある寝具をなるべく使いたい時

今の時代はベッドにマットレスを敷いている人が多いと思います。マットレスは大きくて折りたたむこともできず廃棄は大変だし、洗濯できないので何かと大ごとになるアイテムです。

一応ダニ対策商品買ったけど、症状あるのはこれのせい?

まだ何年も経っていない・・・

へたってもないから使えるし・・・

良いブランドの高級品だし・・・

運べない、丸洗いできない・・・etc…

そんな人でもできるのは、ベッドのマットレスを丸ごと包む防ダニカバーを購入すること!

もちろん敷布団、掛け布団用もありますので、今の寝具を使いたいという人はまずこれが一番敷居が低い現実的な対策です。

この布団やマットを包むシーツの上に普通に自分の好きなシーツを使えるので、防ダニシーツにありがちな単色で微妙な色味だと部屋とミスマッチなのが嫌とインテリアにこだわりたい人、防ダニシーツだけだと症状が出るアレルギーが強い人、肌触りが化繊より綿が好きという人にも対応可能な対策です。

手に入りやすくてお値段も手頃な製品は、安定のミクロガードのプロテクターという名のインナーカバーです

枕用、掛け布団用、敷布団用、ベッドマット用があり、サイズもシングルとダブルあります。

クーンサイズなど大きい海外サイズをお使いであれば『マットレスプロテクター』と検索すればいくつか出てきますが、必ず丸ごと入れるタイプを選んで下さい。


日本に届くかは分かりませんが、海外に知り合いがいるようならば代わりに買ってもらって送ってもらうのも手です。

私が前に使っていたのはここの製品です↓


https://www.allergycontrol.com/


布団やマット全体を丸ごと包んでチャックをして、遮断する構造が大事


これだと布団からの埃やダニが出ないので部屋に舞う埃の量がなかり減ります。

アレルギー対策された寝具でも動かせば少なからず埃は立ちますから、念には念を入れたい人にも向いていると思います。


ときどきナース
ときどきナース

今はミクロガードのプロテクターを使用していますが、女性なら分かる睡眠時の月経血後ろ漏れなんかは下のマットにまで染みていってしまいます。

海外の製品はそういうことがないのに蒸れを感じにくく、生地の厚さや性能は上と感じました。

以前使っていた海外性のマットレスのプロテクターは最初からサイズが少し合わなかったのですが、マットレス変えたらチャックが閉まらなくなり、マットレス用だけミクロガードにしたという経緯です。この記事を書くためにも試してみたかったのもあります。




こういったものはどうしても化繊になりますから、製品によってはカシャカシャしたり固かったり、マットレスの弾力を邪魔するようなハリ感だったり、冬は静電気が発生することもある(ミクロガードも結構発生する。海外性はそうでもなかった)ので吟味して選んでください。触ったり見たりしてから買えないからせめて口コミを探して欲しいところです。

ちなみに、海外のものとミクロガードの違いを写真におさめました。水をスプーンで少し垂らしてみたところ、左の方から水を垂らしていますが右の方がすぐに染み込んでいきました。

左が海外の製品で右がミクロガードです↓

厚さが違うのが少し分かるかと思います。ミクロガードは光沢があり薄く柔らかでスカートやズボンの裏地に近い感じです。海外の製品は掛け布団に使うと、厚いぶん固さを感じることもありますが身体に沿わないということはないです。

水を通さない、生地が厚いからといって蒸れやすいということもなく、むしろ綿100%のアレルギー用布団一式の方が蒸れてた感じがします。


プロテクターの違い
左海外のもの 右ミクロガード


オネショしてしまうような小さいお子さんがいるお宅には、海外製が良さそうです。
※海外サイトのものは大きさの単位がインチのことが多いので、単位計算気をつけて下さい

ダニの餌となる落屑も通さないので増えないですし、目が詰まっているとコロコロで埃を取る清掃も楽です。

プロテクターの上にシーツをかけるので、洗濯は一年に1〜2度くらいすれば良いですが、アレルギー反応が出てしまう場合は、大変だけど洗濯をもう少し頻度を上げて頑張って下さい。

アレルギーに本気出してる製品はチャックの長さが短かったり、被せが中や外にしっかりあってアレルゲンが出ないよう入らないように考えられているので、その分出し入れし辛いのが正直ちょっと疲れます💧

防ダニとあっても、防ダニ構造(縫製)なのかをしっかり見て下さい。

これが経済的にも優しく構造的物理的に増やさない近づけないようにしつつ、ライフスタイルに合った寝具を現実的に取り入れやすい一番の方法かなと思います。


防ダニ加工だけではダメ!洗いやすい物を選ぶ

うちのは防ダニ加工だし大丈夫と思っているそこのあなた!!🫵

防ダニ加工とは

  • 忌避効果
  • 繁殖抑制効果

に分かれます。

前段落は、この二つを物理的に対処する方法でしたが、日本でよく売られている一般的な製品は薬剤を加工しているものが多いと思われます。それは繊維(種類や番手)や縫製の構造を見れば分かるからです。

防ダニ加工とは?|フランスベッドの羽毛ふとん
高齢者には羽毛布団がおすすめです。なぜなら、羽毛布団は、ほかの布団よりも軽くて暖かいからです。でもそれだけではありせん。ここでは高齢者に羽毛布団がおすすめの理由について、詳しく説明していきます。


洗うと薬剤による防ダニ加工は段々と取れて行ってしまう、加工薬剤で皮膚が荒れることもあるそうです。

大体の布団本体は化繊なのでダニが住みづらい繊維で作られているとは思いますが、繊維に成分が練り込んであるとあっても側生地の番手や縫製がイマイチでアレルゲンが出入りしやすそうな布団も安い物で見受けられます。


単なる加工は経年劣化で取れるということを頭に入れて購入して頂きたいですが、値段が高くて買えない、急に必要になったからしょうがなく買うという場面もあると思うので、そういう時には洗えるかという視点で選んで欲しいです。

洗うという行為はダニと菌を落とす(数を少なくする)ために一番有効手段と同時に加工を落としてしまう行為でもあります

防ダニの薬剤を噴霧しながら一年間効果がありますという動画なんかも観たことありますが、アトピー、アレルギーの人あるあるで薬剤を大量に使っているものは怖いと思ってしまうんですよね。販売前にそういうのがかけられていた製品は購入したくなくなりますし、加工が取れたからまたかけようとはあまり思わないので、2・3年で買い替えないのなら洗えるものにして欲しいのです。

洗えないものは主に中芯の入っているもの、マットレス、低反発の敷物なのでそれらを避けるか、側生地にダニがつくので生地だけでも洗えるもの、防ダニ加工はしてあるけど洗えない製品よりは、防ダニ加工がなくても洗いやすい製品の方が悪化原因を繁殖させないために良いかと思います。

逆に言うと、洗うの面倒くさいという人は防ダニ加工のものにして数年で買い替えるという手もありますけど…

それに加えアトピー、アレルギーの人はダニにだけ注目していれば良いというものでもないのが現状。日本の気候や建築、暖房事情、通気性はダニが増殖しやすいと同時にカビも増えやすいです。カビに反応しないアトピーの人はいないくらいメジャーなアレルゲンです。

高気密であればダニや埃の移動を防げますが、普通の人でも寝ている時にコップ2杯は汗をかくと言われているので、閉じ込めた『中』も気になるところです。

エサとなるものがない環境で劇的に増殖するということは無いまでも、死骸やら胞子は『中』に閉じ込めてあるだけで、温かくて湿気がある環境であれば微妙に増えているだろうし、ゼロになることはありません。どれだけ数を増やさないかがポイントです。


ときどきナース
ときどきナース

正直寝具のプロテクターを剥がして寝具を出すときには症状が出てしまうので、あらかじめ抗アレルギー剤と目薬を投与しておき、マスクと手袋、眼鏡をして行います。それでも間違って皮膚に触ってしまうとモワモワした痒みの様な不快感が皮膚に広がって、いてもたってもいられないので終わり次第シャワーに入って薬を塗るのが季節の風物詩になってます


そういうことも考慮すると、薬剤で加工したものよりは素材や構造的にダニを遮断する製品や洗いやすいもの乾きやすいものがより安全とも考えられます。

そこで、防ダニ対策された製品でも気をつけたいのが通気性にも注目して欲しいです。洗っても乾きやすいですから。

アレルギー的な面だけでなくアトピーの人は皮膚から水分が出ていきやすいですく、湿度の不快感を敏感に感じ少し蒸れただけで痒みが湧いてきます💧そういう皮膚にはカビが生じやすいですし、痒みの元凶でもあります。そういう面からも通気性、調湿性が大事です。

ダニとカビの増殖共通点は『湿度』と餌となる『栄養(タンパク質)』なので、何回の言いますがこれらを少なくするのは洗うことが大事でやって欲しい行動なのです。


ときどきナース
ときどきナース

帝○のダニに強いし丸洗いできるクッションを定期的に洗って乾燥機にかけていても(プロテクターカバーは無し)、枕にして寝てしまうと首や顔の一部に赤みが出てしまいます。アレルギー強い人はそんなの通り越して症状出てきてしまいます。タオルとか敷いてもやっっぱり赤くなります。。。いつも症状が出やすい場所は脆弱なので過剰に反応が出てきやすいです


あっちを潰すと、こっちが立ってくるというモグラ叩き状態で、バチコーーーンと自分にちょうど良くはまる製品に出会うのが本当に難しいですが、今私が実際に選んで使っているマットは厚めのブレスエアーです。

通気性もよく(冬場はちょと寒い)側生地も本体も水洗いできるので選びました。これにミクロガードのプロテクターで包みミクロガードプレミアムのボックスシーツを掛けて、ベッドとマットの間に湿気を取るマットを敷いて使っています。※掛け布団系は次のトピックで紹介します

一年に一度真夏の晴天の日に朝早く起きて側生地を剥がして洗い、ベランダで本体に水をかけてそのままそこで真夏の太陽光で乾かすということをしています。ですが、本体の周りに不織り素材みたいなものに包まれていてそれがよく水を含んでしまうので、ひっくり返したりして水を抜きつつ太陽光に当てるという作業をします。それでもその日の内に乾かないこともあるので、そのまま次の日まで放置して乾かし、カバー類を掛ける(側生地、プロテクトカバー、シーツの三枚)という二日がかりの作業を暑い中やります💧

他にベッドマットで洗えるのはエアウィーブですがちょっと値段が高いので…。買える方ならマットが三分割されているものを選ぶと本体を洗った時も扱いやすいですし、自分の体型に合った硬さを部位別に組み合わせられるので一番高いものよりも良いかなと思います。

かなり大変な作業なので洗える製品を購入して一年に一度業者の洗濯に出すか、コインランドリーに運んで洗った方が(コインランドリーは洗剤に香料が入っていたり他の人のものを洗っているのであまりお勧めはできないですが洗わないよりは良いかと思います)お金はかかりますが労力と時間の負担度がまだ軽いです。

三分割に離せる敷布団は洗濯機の大きさによっては家で洗えるかもしれないので家で洗ってコインランドリーに運ぶという手もあるかもしれないです。重そうですけど…。

和式系布団類で手に入りやすくて安心が高い物は、帝人、東洋紡、東レ、インビスタ、3Mのシンサレートの繊維を使っている製品をまず見て、自分に合うものを探してみてください。


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アイテムを少なくする

アイテムを少なくするというのは、金銭的にもメンテナンスを考えた労力的にも重要。日本の住宅は狭い所も多いので場所を取る寝具のアイテムを減らせると空間的にもストレスが少なくて済みます。

アレルギー学会も室内の繊維ものをなるべく減らすことを推奨しています。

要は寒さに対して使うのもが一番嵩張るし場所を取ります。そして繊維を多く使うので埃を出しますし、洗いにくいものなのでここを工夫しないとダメです。

掛け布団

掛け布団を一枚にするとシーツが最低でも一枚で済むので、私は冬に暖房なしで寝ても掛け布団一枚で済む暖かさの羽毛布団を使っています。

これは家の構造や地域によるとは思うので、絶対勧めるものではないです。ダニ対策された化繊の厚い布団もありますが、男性なり暖房付けっ放しでいるくらいであれば普通の布団で足りるのかもしれませんが、我が家では無理でした。

羽毛布団は嵩が高いので他の布団より場所を取る場合もありますから、空間の占有に関してはちょっと違うんじゃないと思われる方もいると思います。ただ、羽毛布団でなくても一枚で済ませられるくらいの暖かさがある布団はそれなりに厚みがありますから、どっこいどっこいかと思います。

圧縮袋は使えるか使えないかは大きいと思いますが、良いダウンだと軽く圧縮したくらいなら干せば元に戻ります。(業者の人は羽毛布団の圧縮は推奨はしていないです)

一枚で済むと業者の洗濯に出しても一枚分の値段で済みますし、軽くて掻く時など身体が楽というメリットもあります。(合掛け布団は気温で調節しやすく、シーツに二枚一緒に入るので一枚とみて良いと思います。洗濯代金は取られると思いますが)

それに私は秋から梅雨寒が終わるまで使いますから、夏以外はこの羽毛布団一枚と掛けカバー、寝巻きを工夫して過ごします。


羽毛布団はアレルギーで無理という人以外は、大体が臭くて無理と言って選んでいない人が多いと思います。

臭いがあるのは大体ダックダウンの製品又はフェザーの比率が多い、洗浄が甘い、側生地のランクが低いものになります。『羽根』と言っても水鳥の種類がグース(ガチョウ)とダック(鴨、アヒル)と二種類あり、羽根もダウン、フェザー、スモールフェザー、ダウンファイバー、フェザーファイバーなどで組成されています。一般的にはグースの方が体長も大きいですが生後の日数でも変わります。

暖かさで言えば羽毛布団に適うものはないと思います。ちなみに通気性も良いです。羽毛布団より暖かいと謳っている人工羽毛の布団もありますが、よく見るとダックダウンと比べた場合であったりするので、比較対象は注意が必要です。ダックの布団一枚では寒いのに、そこと比べられても全然暖かくなくて春と秋でも寒い思いをして結局買い替えた過去もあります。(今はもう少し良いものが出ているかもしれませんが)

※最高級で一番暖かいのはアイスランド産アイダーダウンと言われています。アイダーはダックでダウンは小さいですが断熱性が独自で他より暖かく、抜け落ちた毛を手摘みするから100万円は超えてきます。

今は日本で洗浄と縫製加工を行なっているグースならば臭いがほぼ無いですが、ダック(鴨、アヒル)ダウンはどうしても独特の臭いがあります。売り場でグースとダックの製品を比べてみるのも良いかもしれません。

会社によっては羽毛に制菌加工してあるものがあるので、アトピーで滲出液が出ていたり落屑が多い方は布団内の湿度も上がりやすく菌が発生し臭いの元になりますから制菌加工してあるものがより良いとは思います。
※仕入れ後の羽毛の洗浄では清浄度500mm以上であれば良いとされています。良いメーカーは1000mmとか2000mmと洗浄に自信を持った表記がありますので要確認ポイントです。


羽毛布団の暖かさは『ダウンパワー』又は『フィルパワー』という数字と組合のラベルで見分けますが、ダウンボール(柔らかい空気を含みやすい胸毛)の大きさと比率(量)、ダウンベルトという極寒の地域の範囲で育てられた羽根の方がより保温性が高く、同じダウンパワーでも暖かさが変わってきます。鳥の種類はどうであれ、最低でもロイヤルゴールドラベル(400dp)以上を買っておけば間違いはそうないです。

そして同じ羽毛のパワーと比率でもキルティング方法と縫製で暖かさと値段がまた変わってきます。キルトの大きさやマス目の数、立体キルト、二層キルト、三層キルト、斜めキルトetc…、身体に添いやすい縫製各社独自の方法があるのでそこもまた注目ポイントです。

更に加えて側生地でも値段と耐用年数が違ってきます。同じダウン比率でも安いものは化繊か綿素材でも60番手という側生地のものが多いです。アレルギーがあると化繊のものが安全ではないかと思いがちなのですが、通気性や切れた細かい羽毛が出てこないように綿(特に超長綿)で最低でも80番手〜100番手(数字が大きくなるほど糸が細く光沢があってしなやかで高級)が理想であるとメーカーの方も言っていました。
シルク糸やサテンなどの織り方でも値段が全然違う

番手が低い側生地は布団の洗浄を重ねると縫い目や生地、羽毛が痛み細かい毛が舞いやすいので永く使いたい方は番手が高いものを選んで下さい。細かい毛が舞う布団は洗濯中に羽毛が出てきてしまう恐れがあるため、業者がクリーニングを受け付けてくれないことがあります。

良い物を選ぶ時は布団メーカーの高級ラインを購入すれば間違いはないのですが、うん十万から下手すると100万以上行くので、ポーランド、ハンガリー産のグースでダウン比率90%以上、側生地綿100%80番手以上、日本での洗浄と縫製のものを選んでおけば通販でもあまり間違いはありません。本掛け、合掛け、肌掛けでも値段はもちろん変わりますが、ダウンが良いとキルティングが普通でも暖かいのでそこで価格を抑えることはできます。

洗濯するほど耐用年数が落ちるのにお金のことを何も考えていないと思われる方もいらっしゃるだろうし、厚さと密度がある側生地だと値段は上がるし手が出せないと思うかもしれないですが、羽布団は良い物だと最低でも20年以上は持ちます。打ち直しはちょっと高いですけど、メンテナンスしながらだと一生物の布団です。

打ち直しが面倒な方は側生地が60番手などの商品で価格は抑えているけど、ダウンパワーが一番高いプレミアムゴールドラベル(440dp以上)だと一枚でも十分暖かく買い替えやすいと思います。

この項ではアイテムを減らすことを推奨しているので、一枚で済ませる場合には高いものにはなりがちであること、高いものにはそれなりの理由があること、知らずに購入すると後で結局また買い直す羽目にならないために長々と説明しました💦

アレルギーの面から考えて、何十年も使うよりはもうちょっと安くて洗いやすい、メンテナンスできないけど買い替えやすい、少しアイテムが増えても何も問題ないと思われる方はそういう方法も良いと思います。

ときどきナース
ときどきナース

私の掛け布団は、ポーランド産ホワイトマザーグースダウン93%、側生地60番手超長綿、二層立体キルト、日本でオゾン洗浄のロイヤルゴールドラベル本掛けシングルを13年以上前に5万円以下で楽○で購入しました。

その時は木造アパート角部屋に住んでいたので、それ一枚では寒くてゆたぽん2つで布団内を温めておいたり、寝返りで布団がズレると足元が寒いのでヤマ○イの綿100%生地だけど名前だけ毛布もどき(今はない)がとても重いので、オモリ兼ベッドカバーとして敷布団の下に端を巻き込んで足元の寒さをカバーしていました。

鉄筋コンクリートに引っ越してからもそのやり方は変わらずだったのですが、2年前に打ち直ししてもらって側生地を80番手サテンに変えて少し羽毛を足してもらったらゆたぽんも毛布もどきも少しの時間我慢すればいらなくなりました(カバーはちょっと変えて工夫したので次の項で!)

かけ物、シーツ、カバー類での工夫

毛布は化繊が多くなり起毛素材は温かくて肌触りが良いものが一般的となりました。

ですがアトピー肌の場合は静電気で埃やら菌・ダニがくっついて肌触りも含め刺激になり、特に落屑が多い人は皮もくっつくためダニの餌となりますからあまりお勧めできません。

起毛の寝具でも毎日掃除機かけて週一回は洗っているならまだ良いですが、悪化原因である菌の繁殖とアレルゲンの付着を最小限にするために乾燥機での乾燥を普段から勧めているので、静電気がより発生しやすい繊維は選ばないで欲しいと思っています。

どうしても寒いし使いたいということであれば、自然乾燥でも乾きやすいもの、静電気防止機能があるものがあればそれを選んで下さい。

落屑が多い時は起毛していないツルッとしているものの方が清掃性が楽なので、敷物カバーくらいはダニ対策用のシーツを使うなど起毛でないものが取り入れられそうなところはやって下さい。

海外製の掛け布団はコンフォーターという薄い通年用のものが多いので日本の気候と暖房事情に合っていないかもしれないですが、起毛はなく薄くて身体に添いやすいので暖かいですし、洗濯しやすい化繊でアレルギー的には良いものが多いので、それを毛布のように一番肌に近い場所で使うという手もあります。静電気が0かは製品によりけりだとは思いますが、毛足が長いものよりは良いと思います。
※毛布は本当は一番上に掛けて使うものと言われていますが、暖かさが変わるのかは毛布使わないので分かりません

最近カバー類に暖かい素材のものが多くなってきているので、毛布代わりに暖か素材でアイテムを減らしつつ洗濯もしやすいカバーを選ぶという手もあります。

私が使用しているのは夏掛けとしても使える掛け布団カバー2種類。どちらもヒヤッとせず空気を含むので、程よく暖かいけど暖かくなり過ぎないさっぱりしてる綿100%で普通に週1回で交換し、交互なり他の綿素材の好きな柄シーツを真冬ではない時に使っています。結局色々試すから私の場合シーツ類を多く持っています💧

パシーマ(R)生地でつくった ケットにもなる掛け布団カバー 通販 - ディノス
ディノス(dinos)オンラインショップ、パシーマ(R)生地でつくった ケットにもなる掛け布団カバーの商品ページです。商品の説明や仕様、お手入れ方法、買った人の口コミなど情報満載です。初めてのお買い物で、もれなく1000円クーポンプレゼント...


ガーゼ生地なので空気を含むし暖かくて柔らかい。首元に縫い目がないのも◎。何年か経つと小さい毛玉ができだしたので少し肌触りが悪くなってきたとはいえ、3年以上洗濯を頻回にしている割には損傷がなくそれほど埃も出にくいです。

Attention Required! | Cloudflare

もう一つは今治タオルのカバーです。今使っているものはもう売られていないので似たようなもののリンクを貼っておきます。

ここの製品ではありませんが、タオル生地とガーゼ生地が合わさっているこれと同じ様なもので、さっぱりした肌触りですが硬くもなくタオル好きの私にはちょうど良いです。※乾燥機をかけた場合

表面はタオル地(パイル)でも裏の地糸がポリエステルを使っているカバーだと安い代わりに新品の頃は繊維がよく出てきたり静電気が出やすいため、洗濯しても喘息持ちではない私ですら呼吸が苦しくなったことがあります。なので全部綿100%のものにしました。

⚠️新品でも必ず洗濯をしてから使用して下さい。喘息がある人は特に洗濯を2回は回して乾燥した後にコロコロや掃除機で埃を取ってから使用するのが安全です

アクリルマイヤー毛布に発熱綿が入っている分厚いものだと暖かいので一枚でもOKと広告するものもありますね。枚数も減らせるという点と自宅でも洗濯機が大きければ洗える点は良いとは思いますが週一回洗えるものでもないです。アクリル毛布はあの肌触りと起毛の空気層による暖かさが売りなのに、シーツをかけては勿体無いので、せめて襟カバーをつけると毎日でも容易に交換洗濯がしやすく起毛を抑えられます。アイテムは増えますが、暖かさを保ちつつ清潔さも保てたり、シーツ交換を頻回にできない状態の人には良いものだと思います。


起毛素材に関わらず、滲出液や寝汗が出る人はシーツがとても汚れて悪化原因になりますから、襟カバーを取り入れてみてはいかがでしょうか。

ときどきナース
ときどきナース

敷カバーは静電気が発生しにくいと書いてあったミクロガードプレミアムのボックスシーツにしましたが、冬になったら乾燥機かけると静電気発生し出しました。夏場とかは全然平気だったので発生しにくいといえばしにくいかと。スルッとサラッとして肌触りはとても良く、繊維の密度は詰まっているのに薄く軽いので乾燥も早く気に入ってはいます。

起毛素材を使わないで済むためにも羽毛布団をお勧めしたのですが、ミクロガードだとちょっと寒いです。炎症がある人で冷たいシーツが好きという人もいたり…まあ、好みって難しいです

自分の気に入った硬さとか高さ色々なので、洗えればヨシ!(長文が疲れてきて雑)

アイテムを減らすという面で考えればバスタオルを折って使えば洗濯もしやすく、普通に入浴時に使えるから汎用性も高く安価で変えやすい。硬さが好みであれば一番良いアイテムかなと思います。

今私が使っているのは、丸く中が空いているプラスチックビーズが綿の小袋5個に分かれての入っており、部位に合わせた高さにできるよう量を調節できる仕様になっていることで洗濯もしやすく乾きやすい素材の枕です。そして小袋は普通の枕の大きさの袋の中に入り一つの枕になっていますが、その上にプロテクトシーツを被せ、普通の枕カバー(1週間交換)をかけ、毎日変えるタオルをかけて使っています。そして年に2回は小袋ごとビーズまで洗っています。

当時2万円程でしたが何だかんだ20年以上はへたらず使えています。たまに柔らかい枕を使いたい時もあるのでそういう時はこちらをサブで使用しています。サイズも色々ありますが、かなり沈んで柔らかいのでどのサイズでも仰向けで寝る人に向いている枕だと思います。手持ちの枕カバーの大きさと洗うということをメインに考え一番小さい日本仕様のサイズを選びましたが、敷布団の硬さで高さの感覚が変わりやすい枕だなという印象です。

低反発のものが発売されて間もない頃、旅行先のホテルにあったので使用してみたところ朝起きたら首の後ろがボッコボコに腫れたことがありました。カバーだけだと怖かったのでタオルも敷いて寝ましたけど、寝ぼけ眼で皮膚がチクチクするなと異変を感じつつも寝て起きたらそんなんなってました。

色んな人が使って洗濯状況も不明な枕はどんな種類もリスクは高いのですが、低反発は洗えないので特に注意です。


布団を置く環境も考える

菌の繁殖を防ぐためにも布団を畳(床)に敷いている人は起床したら敷いたままにしない、すのこ(ベッド、マット)にしたりと寝具の湿度が少しでも下がるような工夫をするとダニに対しても有効なので、寝具を置く環境にも考慮が必要です。

カーペットや畳の上に直接布団を敷けばダニがどちらかに移動したり、床に沈んでいるアレルゲンが付いたり吸い込んだりしてしまいますから、それで悪化なり喘息っぽくなっている人もいると思います。

布団のある環境下に空気清浄機は必須です。


ときどきナース
ときどきナース

すのこベッドは、板の素材によっては背中〜臀部の湿度が高くなりやすい部分に結露が生じて、しばらくマットなり布団をそのままにしておくと黒カビが繁殖していたりします。(経験談)

ブレスエアーでより湿気や熱が抜けやすかったためとも考えられますが、すのことマットの間に吸湿パッドを敷いていてもカビました。寝る時には部屋の温度が低く布団との温度差がある時や窓側に寄せていたりと結露が生じやすい環境を避けることも考えないといけません。

すのこだから安心という訳ではないので、定期的布団上げて通気させ観察する(敷きっぱなしにしない)、アルコール噴霧しておく対処も必要です。


すのこは板の素材や厚さ、張り方で寝ている時に軋み音が出たり、たわむことがあります。安かろう隙間がいっぱい空いているから通気性が良いだろうと考えるのは危険です。間隔が広いすのこに敷布団を敷くと凸凹を感じ寝にくくなることがあるので、すのこ間隔が広いベッドには厚めの敷物を選んだ方が良いです。

素材は木よりもプラスチックや金属の方がカビ清掃なり洗いやすく衛生的ではあります。小さいお子さんはよく上で飛び跳ねますから、隙間に足が入ったり、角が当たったり、棘が刺さったりする危険があります。選ぶ際は年齢に合わせた安全面での視点も入れて下さい。

結露を考えると敷物は厚みがある方が温度と湿気がダイレクトに板に影響しないのでそういうものを選ぶと良いと思います。ベッドマットの場合はスプリングにするとサイドから湿気が抜けやすいという利点もあります。※その際は洗えないのでプロテクトカバーを被せて使って下さい

ベッドの下は埃が溜まりやすいので下に物を置いたりしない方が掃除もしやすくアレルギー的には安心ですが、スペース的なことを考えるとそうもいかないことも多いので、動かしやすいものにするとか、少しでも床から離れている足がついているベッドを選択すると良いです。


すのこベッドを使う5つのデメリット|主な種類や素材・おすすめの商品も併せて紹介
すのこベッドは通気性に優れているというメリットがあるため、寝床の湿気や防カビ対策におすすめです本記事では、すのこベッドの特徴やメリット・デメリット、すのこベッドの素材などについて詳しく解説します。



すのこのカビが取れなくなってきたので買い替えはこのどちらか↓↓にする予定。

とにかく頑丈そうだけど隙間に関しても清掃性が考えられており、分解して一人で移動もなんとかできそう

家具工房&ギャラリー 生活アート工房
オーダーの家具を中心に無垢の木の製品をお届けする「生活アート工房」。

実物を見たけど軽く通気性も良い桐のすのこのスライドベッド。折り畳むとベンチにもなる優れものだが自分には高額

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創業以来70年、桐の名産地「会津」で桐たんすを作り続けています。細かなご要望にもお答えできるのが製造直販の強みです。その他、桐小物も充実しております。


後は部屋の間取り的に難しいことも多いですが、窓近くや窓下の壁に寝具を近づけると結露が生じやすいので、頭部が少し接するくらいなら良いですが、横にベッタリ付けるのではなく少しでも離してベッドを置くという工夫もしてみて下さい。


まとめ

  1. ダニや埃、カビが発生しにくいものを使う →  発生しにくい繊維や加工のものを使う、場所(環境)、アイテムを減らす
  2. 住みつきにくいものを使う → 防ダニ加工、高密度で遮断できるものを使う
  3. 減らす、増やさない →  洗濯、発生しにくい繊維のものを使う、アイテムを減らす
  4. 近づけない → 高密度で遮断できるものを使う、アイテムを減らす、洗濯

長々と書きましたが、結局対策手段としては被っている部分も多いため、今の寝具状況で足りないと思われるところをとりあえず工夫するも良し、症状に余裕のある人は次の購入機会の際に参考になったら嬉しいです。

アトピー、アレルギーのために必要なケア方法を念頭に入れて商品を選んでいった結果、今はこういう方法に辿りつたのですが、これからまた良いものが出れば情報としてどこかで追加します。

私のアレルギーは、こんなにやってもデュピクセント使わないと症状が抑えられないので、これだけやれば大丈夫、皮膚に全く反応がないといえば嘘になります。でもこれだけやっているから注射も効いてこれで済んでいるとも言えるかなと思っています。

痒くて寝られない、浅い眠りになりがちなアトピー・アレルギーの人たちが、少しでも良い睡眠を取れるよう祈っています!

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