洗濯はアトピーの人には大事にして欲しい日常行動です。
どうしてかというと
洗濯洗剤成分が残っていると、接触性皮膚炎を起こすことがあります。
きちんと洗えていなくて汚れが残っていたり乾かすのに時間がかかると、洗った服でも雑菌が繁殖して痒みの原因になります。
外に干すと、花粉やPM2.5、黄砂、埃などアレルギー物質が付いてしまったり、外出から戻ってくると部屋に悪化原因を持ち込んでしまうこともあります。
これら皮膚を悪化させてしまう原因を洗い流すためにも洗濯が重要なのですが、やり方次第で悪化の原因にもなってしまいます。
他にも洗剤の種類、洗濯機の定期的なカビ取り、掃除などなど気をつけないといけないことが多いので正直疲れます。
しかし、洗濯を疎かにすると自分の皮膚に悪い結果が出てしまうことがあるので、毎日やるようなことは
なるべく楽ができて
安全に洗濯ができる
ことが疲れないコツなので、そんな洗濯機について考えていきましょう。
結論はドラム式だけど・・・
結論と言いますか、筆者が選んで使っているのはドラム式です。
物理的に乾燥機が置けないという理由もありますが、やはり、労力と時間をかけずにできるという点で、ドラム式に軍配が上がります。
縦型と違い、洗濯→乾燥が一気にできて仕上がってしまうということは、
- 絡まった洗濯物を洗濯機から出す
- シワを伸ばす、パンパンする
- 物干しに干していく
- 干す時間、取り込む時間を気にしないで済む
- 天候を気にしない
- 干した物を取り込む
- 部屋に干さないで良いので、スペースや乾きを気にしないで済む
これだけのことがほぼ無いので、労力と時間が節約できることが分かりますよね。
洗濯乾燥まで終わったら、取り出してたたむだけで済みます。
アトピーの人はやることも多いし、どこかしらの炎症で身体がだるいし、こういう毎日のようにやる家事労働を少し楽して体力温存するというのも、自分や家族を大切にする行為だと思います。
とは言っても選ぶ際には注意しなければいけない点があります。
ドラム式洗濯機の値段は高いですし、天日干しに比べれば乾燥で電気代もかかります。
水道代は少なくて済みますが。
乾燥時には機械音がありますから、ワンルームや洗濯機に近い場所にいる時に音はどうしても気になります。(作動音は会社によってかなり違います)
それにスペースの問題が一番ネックです。取り出し口のフタを開けるとかなりの大きさになるので、フタを開けた時のスペースまで考えた置き場所や水栓の位置も見ておかないといけないのが注意点で、使いたくてもスペース的に置けないことも多いです。
置けなければ引越しでもしない限り解決しない問題です。物理的にダメなら選ぶこともできないので、事前に寸法を測り、電気屋さんに相談をしておくことをオススメします。
アトピー・アレルギーの観点から見ればドラム式は、
⭕️外にも干さず、すぐに乾かすことができるので悪化因子が衣服には残りにくい
⭕️洗濯槽内が乾燥するので、黒カビが発生しにくい
⭕️機械が一台だと掃除が楽
と、とにかく乾燥までできればアトピー的には悪いとこがあまりないのがドラム式を推す理由です。
ですが、炎症が強く落屑が多い状態の人にはドラム式はどうなのかな?という観点もあります。
縦型洗濯機+乾燥機を選んだ方が良い場合もある
アトピーでも色々な状況の人がいます。
部分的だけの人もいれば、全身ボロボロで落屑が雪のよう落ちるほど炎症がひどい人もいます。
基本アトピーの人の洗濯機使用に関する注意点は一緒なのですが、落屑がボロボロ出ている人の場合は少し事情が違います。
とにかく、細かい落屑が服の表面だけでなく奥まで入り込んでいるので、洗濯すると取れてくるものの、水流が止まると水面に皮がブワッと浮いて出てきます。
ですから、脱水で水が抜けていく時に、浮いてたものが再付着してしまいます。
すすぎを多くしても、干す段階で皮と軟膏が合体した物(要は垢)が折り目に筋の様に残っていたり、塊で残っていたりするんです💦

洗濯物乾いた後に、ガムテープでペタペタ取るのですが、ポケットの奥やボタン合わせの細い所が取りにくいし、全部取れずごろごろと溜まって黒ずんでいくんです。
アトピーの人は市販の強い洗濯洗剤は使えないことが多く、特に冬場は水が冷たいため油で固まった皮が残りやすのです。
ですから、皮を洗濯物に残さないためにも、
水位を高くして
洗濯物を少なめに入れて
すすぎも1回多くする
洗濯物がよく広がって動く状況で洗濯することが必要です。
できれば糸くずネットは多い方が良いですし、水温が高い方がより良いです。
そういう事情から、ドラム式洗濯機と縦型でもビート○○ッシュは洗濯物が十分に広がらず節水すぎて皮が残りやすいため、落屑が多い人には不向きです。
しかし乾燥機で乾燥ができれば皮も取れやすくなるので、乾燥機合わせ技で少し解消できる部分もあります。(皮自体が減っていなければフィルターや乾燥機外に飛ばされたか、機内に残って静電気で色んな場所に付いています。その場合は毎回乾燥機内の拭き掃除が必要です)
縦型洗濯機の乾燥機能付きだと槽内のカビに対しては乾燥させるので良い働きをしますが、洗濯物を乾かすには全く向いていないのでオススメできないです。
ドラム式のようにほぐしながら空気を入れて乾かすということが縦型ではできません。
洗濯物がシャツ1・2枚でも、一度取りだしてシワをしっかり伸ばしていから乾燥を始めないとシワだらけで乾いてしまうので、結局使っていない人も多いです。
縦型でも乾燥機能付きだと値段も高いので、スペースがあるなら縦型洗濯機+乾燥機でもそれほど値段は変わらないかなと思います。
どうしても乾燥機のスペースが無いという方でも、最近は小さくて持ち運びのできる乾燥機もあるので下着・肌着、パジャマと身につけている時間が長い物だけでも乾かすのはいかがでしょうか。
生地もフワフワで柔らかくなり、柔軟剤使わなくても肌あたりも良くなります。
※柔軟剤は接触性皮膚炎を起こす可能性があるものなので、皮膚に炎症がある時は使わない方が良いです
もう少し大きい容量の商品もありました。小型乾燥機で探して下さい。
室内干しは漂白剤を使っていたとしても、洗濯機の清掃が不十分などの理由で容易に雑菌繁殖してしまいますから、浴室乾燥機、除湿機、サーキュレーターを使って室内でもなるべく短時間で乾燥ができるようにしましょう。
夏場の植物アレルギーが無いと判明していて症状も特になければ、乾きが早い夏場で早く取り込める状況であれば、外に干しても大丈夫かもしれません。
適宜、安全で安価な方法に変えていきましょう。

洗濯物を入れて洗剤入れてスタート押すだけの人も多いですが、アトピーの人で普段から自分以外の家族が洗濯をしてくれているようであれば、洗濯方法を確認してみましょう。
意外な悪化原因が見つかるかもしれません。
ドラム式、縦型どちらにも大事なこと
どんなものにも一長一短はあります。
アトピーは保湿が大事ですが、しっかり保湿すると洗濯してもちょっとずつ服などに油が残り、しっとりしてきてしまうのです。
ドラム式にしても、縦型にしても、アトピーで保湿剤を使っている場合、軟膏の油汚れが見えない所に必ず溜まっているので、お湯で洗えた方が機械にも洗濯物にも良いです。
お湯だと洗剤の溶けも良くなり、洗剤残りも減り接触性の皮膚炎の可能性も減ります。
もし家を建て替える、リフォームする時があれば、洗濯機用の水栓でもお湯が出る仕様にすると良いでしょう。
そんな予定もない人が多数だと思うので、ポットの残り湯を入れるなどして水温を高くして欲しいですが、お風呂の残り湯は雑菌だらけなので使わないで下さい。
ドラム式でも温水にする機能がパナソニック、東芝の上位機種ならあるので、そういう機能がある機種を選ぶのも手です。引っ越して水栓変わっても使えますから。
アトピー関係なしにみても、温水洗濯は汚れ落ちを良くするので、毎日行う家事を楽にすることにお金をかけても長期的な目線で見て悪いことはありません。

まとめ
アトピーやアレルギーは、こんな些細なことで悪化するのかと本当に驚かされる病気なのです。
最近では乾燥した皮膚からアレルゲンが入ってきて、アレルギーを発症させるということも解明されてきています。
皮膚に接する服などをカビだらけの洗濯機で洗うというのが、アトピーには全く関係のないことでもないということがお分かりになるでしょう。
そういった観点から総合的に見て、洗濯槽内を乾燥させカビを発生させにくいドラム式洗濯乾燥機を私はお勧めしますが、サイズ、家族構成、洗濯環境を踏まえつつ、アトピー・アレルギーの悪化を防ぐ視点も入れて洗濯機を選んで下さい。
欧米でのアトピー治療は、スキンケア、環境の悪化因子を整えることが薬物療法と同等に重要視されます。日常に悪化させる原因があると薬が効かないからです。
欧米ではアトピーが出ていれば子どもの内に症状をコントロールできるように医師から生活の教育がされるようです。もちろん医療格差が大きいので大人になっても良くなっていない人や、薬局の薬を自己流に使って悪化している人もいるでしょう。
しかし治りやすい要因は、アトピーの悪化原因を踏まえると高温のお湯で殺菌もかねて洗える洗濯機であったり、乾燥機を使い外に干さない習慣もアトピーにとっては良い要因で、実際に洗濯の指導時に確認される項目なのです。
ともあれ洗濯物がさっぱり清潔に、フワッと仕上がっているのは誰でも気持ち良いと感じるので、洗濯は大事です!